建設業の経理は大変?向いている人と入社前に確かめたい5つのこと

建設業の経理は大変?向いているかを場面で確かめる入社前のチェック 事業とお金の管理
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おけい
おけい
こんにちは、内装下地の会社で経理・総務をしているおけいです。経理を一人で担当して、7年目になります。「建設業の経理って大変なの?」と気になって、応募を迷っていませんか。私が大変だと感じたのは、計算よりも現場とのやりとりでした。向いているかの確かめ方と、入社前に聞いておきたい質問を、私の会社の体験からお伝えします。

🔍 先に結論

  • 建設業の経理の大変さは、計算よりも現場からの書類を待つことと、同じことを何度もお願いすることに出やすいです
  • 向いているかは、性格より「この場面で平気か」で確かめると判断しやすくなります
  • 大変さは会社の体制で大きく変わります。入社前に5つの質問で確かめておくと、入ってからのずれを減らせます
  • この記事の体験は、元請(自社に工事を発注する会社)から仕事を受ける内装下地の会社で、経理を一人で担当している私の会社の話です

建設業の経理が大変なのは、現場とのやりとりの場面

建設業の経理には、建設業ならではの科目や、工事ごとに原価を分ける仕事があります。そのうえ、現場は事務所の外にあります。書類やお金の報告は、現場の人を通して届きます。

私が大変だと感じたのも、計算そのものより、この現場とのやりとりでした。

大変だった場面私の会社で起きたこと
現場からの報告を待つ現場の担当者が、職人さんへの日当や材料費の立替(先に払ったお金)を、月末まで報告してこないことがよくあります
書類が月末に集まる月末の書類処理に追われて、残業が続いた時期がありました
社内に相談できる人がいない経理は私一人です。始めたころは科目が分からず、社外の税理士に何度も確認していました

建設業の経理の仕組みの違いは「建設業の経理の特徴5つ」にまとめています。一人で担当するつらさと対処は「一人経理がつらい時に見直すこと」をどうぞ。ここから先は、その大変さが自分に合うかどうかを確かめる方法です。

向いているかは「この場面で平気か」で確かめる

几帳面さや数字への抵抗のなさだけでは、入社後の仕事を想像しにくいかもしれません。そこで、私の会社で実際にあった場面を5つ並べました。読みながら「これなら平気」「これはつらいかも」と、自分の感覚で答えてみてください。

建設業の経理に向いているかを確かめる5つの場面

場面1:報告が来ない人に、何度でも声をかけ直せるか

現場の立替の報告が月末まで来ないのは、私の会社ではよくあることです。締めに間に合わせるには、こちらから聞きにいく形になりがちです。

領収書に現場名を書いてもらうルールも、私が決めたものの、最初はなかなか守られませんでした。何度も伝え直して、ようやく習慣になりました。同じお願いを、責めずに言い続けられるか。これが一つめの分かれ目です。

場面2:分からないことを、そのままにせず聞けるか

私は経理の経験がないまま、今の会社に入りました。経理の資格は、高校で取った簿記3級だけでした。

始めたころは仕訳の科目が分からず、税理士に何度も確認しました。たとえば、未収入金と前受金の違いや、未成工事支出金(途中の工事にかかったお金)を完成工事原価に移すタイミングです。「こんなことを聞いていいのかな」と迷うより、聞いて確かめる人のほうが早く慣れると思います。

場面3:月末に仕事が重なっても、順番を決めて片づけられるか

私の会社では、現場の書類が月末にまとまって届きます。領収書が200枚近く届いた月もありました。仕事が一度に来ても、「現場ごとに分ける→入力する→確かめる」のように順番を決めて片づけられる人に向いています。

場面4:人によって違うやり方を、そろえていけるか

私の会社では、見積書・出来高・請求書を誰が作るかが、番頭さん(現場をまとめる担当者)ごとにバラバラだった時期があります。その後、「経理は番頭さんが作った資料をチェックするだけ」と役割を決めてから、ミスが減りました。役割の見直しに関われる職場なら、決まっていないことに気づいて話し合いに加われる人は、力を発揮しやすいと思います。

場面5:数字の変化を、言葉で説明できるか

私は毎月、工事ごとの原価の一覧や会社全体の損益をまとめた資料を、社内のミーティングで画面に映して報告しています。続けるうちに、社長が数字の変化に自分で気づけるようになってきました。「先月より何が変わったか」を伝えるのが苦にならない人は、社内で頼られやすいと思います。

反対に、経理の仕事を机の上だけで終わらせたい人は、少なくとも私の会社のような専門工事会社では、しんどく感じると思います。5つの場面のどれにも、現場の人とのやりとりが入っているからです。

「つらいかも」と思った場面があったら、次の章の質問で、その会社の体制を確かめてみてください。

「つらいかも」と思った場面確かめたい質問
場面1:声をかけ直す③ 現場の領収書や立替の届き方
場面2:分からないことを聞く① 経理の人数・相談先
場面3:月末に仕事が重なる① 忙しい時期や休むときのフォロー/⑤ 受け持つ範囲
場面4:やり方をそろえる② 請求書を作る人
場面5:数字を説明する④ 原価の管理と照合、数字の共有
じむねこ
じむねこ
5つ全部「平気」じゃなくても大丈夫だよ!つらいかもと思った場面の質問だけ聞いておけば、心の準備ができるからね^^

入社前に確かめたい5つの質問

ここに挙げる5つは、私の会社で大変だったことを、入社前に確かめる質問の形に直したものです。

先に、私の前提を書いておきます。私が経理として知っているのは、今の会社1社だけです。入社も、夫が会社を立ち上げるときの手伝いで、面接は受けていません。そのため、この質問を自分で聞いたことはありません。

聞くタイミングは、面接の最後の「何か質問はありますか」や、会社見学のときです。求人票に書いてあることは、あいまいな点だけ確かめれば十分です。5つ全部でなくても、気になる2〜3個を選んで聞いてみてください。

入社前に確かめたい5つの質問
確かめたいこと聞き方の例
① 経理の人数・相談先と、忙しい時期のフォロー「経理のご担当は何名でしょうか。月末や決算前に仕事が重なるときや、お休みの方がいるときは、どなたがフォローされていますか」
② 元請への請求と、請求書を作る人「元請さんへの請求は、工事の進み具合に合わせた出来高請求でしょうか。請求書は、現場の方と経理のどちらで作っていますか」
③ 現場の領収書や立替の届き方「現場の方が使った経費の領収書は、月のいつごろ、どんな形で経理に回ってきますか」
④ 原価の管理と照合、数字の共有「工事ごとの原価は、どんなソフトや表で管理されていますか。会計ソフトの数字と合わせるのは、どなたのお仕事ですか」
⑤ 経理以外に受け持つ範囲「経理のほかに、給与計算や社会保険の手続き、協力会社さんの書類の確認などをお願いすることはありますか」

① 経理は何人か、忙しいときや休むときは誰が助けるか

私の会社の経理は私一人で、税理士は社外の先生です。仕訳は私が入れています。困ったのは、相談できる人がいないこと、休むと支払いや入力が止まること、時間が足りないことでした。

場面2の「聞く」が気になった人は、「仕訳などで判断に迷ったときは、社内外のどなたに相談できますか」と聞いてみてください。経理が一人の会社でも、税理士にどこまで相談できるかで、心細さは変わります。

私の会社は10月末が決算で、準備は10月の初めから始めます。気になる会社では、忙しい時期に休めるか、休んだときに支払いが止まらないかを確かめておきましょう。「忙しいですか」より「お休みの方がいるときは、どなたがフォローされていますか」と聞くほうが、実態が見えます。

② 元請への請求は出来高か、請求書は誰が作るか

私の会社では、元請への請求は、ほぼすべての現場が出来高請求です。工事が終わるのを待たずに、進み具合に合わせて請求します。

場面4で書いたとおり、見積書・出来高・請求書を誰が作るかが、番頭さんごとにバラバラだった時期もありました。請求書を作るのが現場か経理かで、経理の毎月の仕事の量と中身は大きく変わります。

せきさんくん
せきさんくん
出来高請求は、工事が終わる前に、進み具合に応じた金額を請求するやり方だ!請求の時期や確かめ方は契約によって違うから、請求した額と入ってきた額を照らし合わせる仕事がどのくらいあるか、聞いておくと安心だよ!

③ 現場の領収書や立替は、いつ・どう届くか

工事ごとの原価は、現場の領収書や、協力会社の請求書などをもとに集めます。私の会社では、ガソリンカードを入れる前、現場の人に「領収書をなくした」と言われて困ることが何度もありました。

領収書に現場名を書くルールは、私が決めて、何度も伝え直して習慣にしたものです。応募して入る場合、同じように経理からルールを決められるとは限りません。余裕があれば「経理からお願いして、やり方が変わったことはありますか」と聞いてみると、職場の雰囲気がつかめます。

④ 工事ごとの原価は何で管理し、誰が照合するか

私の会社では、会計は弥生、工事ごとの原価は「建設原価ビルダー5」という原価管理ソフトで管理しています。2つのソフトの数字を毎月突き合わせ、税理士に資料を出す前にも必ず照合しています。

ソフトが2つあれば、照合の仕事も生まれます。Excelで原価を管理している会社なら、入力や照合をどう進めているかも聞いておくと、入社後の仕事を想像しやすくなります。

場面5の「数字を説明する」が気になった人は、「工事ごとの原価や会社全体の損益は、どなたがまとめて、社内でどのように共有されていますか」と聞いてみてください。まとめた数字を誰に、どう伝えるのかまで分かると、経理に期待されている役割が見えてきます。

⑤ 経理以外に、どこまで受け持つか

私は経理のほかに、毎月の給与計算と、新しく入った社員の健康保険(建設国保)の手続きをしています。建設業許可の決算変更届(毎年の決算を役所に届ける書類)の作成と、積算(見積りの数量を拾う仕事)も兼ねています。

協力会社の約半分は一人親方です。一人親方の労災保険や社会保険の書類を出してもらい、確認するのも私の仕事です。会社によっては、求人票に「経理」とあっても、仕事の範囲がそれより広いことがあります。「経理以外に何を兼ねるか」を聞いておくと、入ってからの驚きが減ります。建設国保の手続きの流れは「建設国保の入社手続き」で紹介しています。

未経験の人・経験がある人へ

経理が未経験の人は、まず「経理未経験で建設会社の経理を始めたら」で、入社後に最初に覚える全体図をつかんでください。1年目に覚える仕事の順番は「建設業経理の1年目ロードマップ」にまとめています。私も、簿記3級だけを持って、経験なしで始めました。

面接の前に、出来高請求など建設業の経理の流れに慣れておきたい人には、私が書いたKindle本もあります。

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ほかの業種で経理をしていて、建設業の会社も候補にしている人は、5つの質問をそのまま比べる物差しに使えます。社内で仕事を広げる道と転職の整理は「建設業経理のキャリアアップ」に書いています。

よくある質問

Q. 簿記の資格がなくても、建設業の経理に応募できますか?

応募の条件は会社ごとに違うので、まず求人票の「必須」と「歓迎」の欄を確かめてください。私は経理の経験がなく、経理の資格は高校で取った簿記3級だけで始めました。建設業ならではの言葉は、入ってから覚えました。

Q. 建設業経理士の資格は、入社前に取っておくべきですか?

入社前に必ず要る資格ではありません。ただ、経営事項審査(公共工事を元請として直接受けたい会社が受ける審査)では、1級・2級の建設業経理士の人数が評価の項目に入ります。経審を受けている会社かどうかで、資格の重みが変わります。私の会社は経審を受けておらず、資格手当もありません。簿記2級との違いは「建設業経理士と簿記2級の違い」にまとめています。

Q. ほかの業種の経理経験は、建設業でも活かせますか?

仕訳や月次の締め、決算といった経理の基本は、業種が変わっても同じです。建設業で新しく覚えるのは、工事ごとに原価を分けることや、出来高請求、建設業ならではの科目です。私は今の会社の経理しか知らないので、違いの全体像は「建設業の経理の特徴5つ」で確かめてください。

Q. 経理が一人の会社は、避けたほうがいいですか?

一人かどうかだけで決めるより、困ったときの相談先があるかを確かめるのがおすすめです。私の会社も経理は一人で、相談できる人がいない・休みにくい・時間が足りない、の3つに困りました。その一方で、私の場合は、領収書のルールのように仕事のやり方を自分で決められた面もありました。応募して入る場合は、ここは会社によって違います。一人の会社なら、税理士にどこまで相談できるかを聞いておくと安心です。

Q. 面接で質問をたくさんすると、印象が悪くなりませんか?

私は面接を受けて入社していないので、体験としてはお答えできません。この記事では、5つの質問から気になる2〜3個に絞ることをおすすめしています。聞くときは「入社後に早く仕事に慣れたいので」のように理由を一言添えると、なぜ聞くのかが相手に伝わります。

まとめ:大変さは、入る前にある程度見当がつく

5つの場面で「つらいかも」と思うものがあっても、それだけで向いていないとは限りません。大変さの多くは、会社の体制で変わるからです。

まずは気になる会社の求人票を見ながら、5つの質問のうち聞けそうなものに印をつけてみてください。入社前に体制が分かっていれば、入ってからの「こんなはずじゃなかった」を減らしやすくなるはずです。

経理・財務の経験があり、建設業の会社も含めてほかの会社と比べたい人は、経理職向けの転職エージェントに相談する方法もあります。ツインプロは、首都圏の会計・財務の転職に特化したサービスで、経理・財務の経験者が対象です。経験や地域など、自分が対象になるかどうかは、無料相談の申し込み時に確認してください。特徴と注意点は「ツインプロの口コミ・評判」で整理しています。

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