※本記事にはアフィリエイト広告が含まれています。

🔍 先に結論
- 経理事務が入る統計区分「会計事務従事者」の年収の目安は約512万円。ただし女性は約449万円、従業員10〜99人の会社は約471万円です(厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」から計算)
- 建設業で働く事務職は約516万円。ただし10〜99人の会社では約408万円と、会社の規模で大きく変わります
- 資格手当は法律で決まったものではなく、会社のルールしだい。私の会社にはありません
- 年収に効くのは資格そのものより、月次資料・原価管理・決算など「任される仕事の幅」です
建設業の経理の年収の目安【令和7年の国の統計】
年収の目安には、厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」を使います。国が毎年行う賃金の調査で、令和7年分の職種別の表は2026年3月に公表されました。
先に1つ注意があります。統計には「経理事務」という区分がありません。経理事務員が入るのは「会計事務従事者」という区分です。また、公表されている表には「建設業の経理」だけを取り出した数字が見当たりません。そこで建設業については、事務の仕事をまとめた「事務従事者」の数字で補います。この区分には、経理のほかに総務・人事・一般事務・営業事務なども含まれます。
経理事務(会計事務従事者)の年収の目安
| 区分 | 月給(残業代込み) | 年間賞与 | 年収の目安 |
|---|---|---|---|
| 男女計 | 34.3万円 | 101.2万円 | 約512万円 |
| 男性 | 41.2万円 | 132.1万円 | 約627万円 |
| 女性 | 30.4万円 | 84.3万円 | 約449万円 |
| 従業員1,000人以上 | 37.5万円 | 130.3万円 | 約580万円 |
| 従業員100〜999人 | 33.8万円 | 100.7万円 | 約506万円 |
| 従業員10〜99人 | 32.5万円 | 81.1万円 | 約471万円 |
年収の目安は「月給×12か月+年間賞与」で計算しました。月給は統計の「きまって支給する現金給与額」、年間賞与は「年間賞与その他特別給与額」です。男女計なら、342.5千円×12+1,012.4千円=5,122.4千円(約512万円)です。月給は残業代を含む2025年6月分、賞与は前年(2024年)1年間の額で、どちらも税金などを引く前の金額です。
建設業で働く事務職の年収の目安
| 建設業の事務職 | 月給(残業代込み) | 年間賞与 | 年収の目安 |
|---|---|---|---|
| 男女計 | 34.0万円 | 108.2万円 | 約516万円 |
| 男性 | 41.3万円 | 138.9万円 | 約634万円 |
| 女性 | 29.6万円 | 89.6万円 | 約444万円 |
| 従業員1,000人以上 | 45.1万円 | 189.2万円 | 約730万円 |
| 従業員100〜999人 | 36.1万円 | 128.0万円 | 約561万円 |
| 従業員10〜99人 | 28.5万円 | 65.5万円 | 約408万円 |
建設業の事務職は、会社の規模による差がとても大きいのが特徴です。1,000人以上の会社と10〜99人の会社では、年収の目安に約322万円の開きがあります。同じ「建設業の事務」でも、ゼネコンのような大きな会社と、私の会社のような専門工事会社では条件がまったく違うということです。
統計を見るときの4つの注意
- 従業員10人以上の会社の数字です。10人未満の会社は、この表に入っていません
- フルタイムで働く人(一般労働者)の数字で、パートなど短時間の人は含みません
- 平均値なので、一部の高い人に引っぱられて高めに出やすくなります
- 「建設業の経理」だけの数字ではありません。上の2つの表を並べて、幅で見てください

経験年数と役職で、年収はどう変わる?
同じ調査には、経験年数別の表と、役職者を除いた表もあります。会計事務従事者(男女計)で見てみます。
| 経験年数 | 月給(残業代を除く) | 年間賞与 | 年収の目安 |
|---|---|---|---|
| 1〜4年 | 28.5万円 | 88.8万円 | 約431万円 |
| 5〜9年 | 31.1万円 | 103.2万円 | 約477万円 |
| 10〜14年 | 32.3万円 | 110.6万円 | 約499万円 |
| 15年以上 | 35.9万円 | 123.4万円 | 約555万円 |
この表は残業代を含まない「所定内給与」で計算しているため(例:1〜4年は285.2千円×12+887.5千円=4,309.9千円)、さきほどの表より少し低く出ます。経験0年は賞与が少なく比べにくいので省きました。
役職のほうも見てみましょう。部長・課長・係長などの役職者を除くと、会計事務従事者の年収の目安は約460万円(312.6千円×12+850.7千円=4,601.9千円)です。役職者を含めた約512万円より、約52万円低くなります。
つまり、統計から読み取れるのは「経験を積み、役職がつくと年収が上がる」ところまでです。一方で、資格の有無で分けた表は、この調査にはありません。
資格で年収は上がる?資格手当は会社しだい
資格手当は、法律で決まった手当ではありません。出すかどうか、いくら出すかは、会社が就業規則や賃金規程で決めます。
私の会社には資格手当がありません。建設業経理士1級は2026年9月に受験しましたが、資格を取っても給料に手当がつく仕組みはありません。
会社にとって建設業経理士が「点数」になる場面の1つが、経営事項審査(経審)です。公共工事の入札に参加する会社が受ける審査で、「建設業の経理の状況」という項目で、要件を満たした1級・2級の建設業経理士の人数が評価されます。ただ、私の会社は経審を受けていません。そのため、資格が会社の点数になる場面もないのです。
手当があるかを知りたいときは、求人票の「手当」の欄や、今の会社の賃金規程を見るのが確実です。どの資格から取るか迷っている方は、建設業経理士と簿記2級の違いと選び方の記事で整理しています。

年収に効くのは「任される仕事の幅」
統計で年収が上がっていたのは、経験が長い人と役職がついた人でした。私は、役職は「任される仕事の範囲が広がった結果」としてつくものだと考えています。建設業の経理で「幅」になる仕事を、私の実務から3段階に分けてみました。
| 段階 | 主な仕事 |
|---|---|
| ① 入力 | 請求書・領収書・入出金の仕訳、支払いの準備 |
| ② 月次資料・原価管理 | 工事別原価台帳、会社全体の損益をまとめて社長に報告する |
| ③ 決算まわり | 決算前の利益の着地見込み、納税額の概算、決算変更届 |
入社したときの私は経理の経験がなく、資格は高校で取った簿記3級だけでした。最初の決算では未成工事支出金の残高が合わず、半日かけて帳簿を追いかけたほどです。
今は毎月、工事別原価台帳・会社全体の損益・番頭別の損益をまとめ、ミーティングで画面に映して報告しています。月次資料が翌月中旬に固まるので、工事の途中で赤字に気づけるようになりました。決算前には、利益の着地見込みと納税額の概算を出して社長に伝えています。

どれも資格手当とは関係のない仕事です。それでも会社から見れば、「この人がいないと数字が出てこない」仕事です。給料の相談をするときも、転職で経歴を書くときも、説明の中心になるのは資格名より「何を任されてきたか」だと思います。
外の会社の見方も1つ紹介します。経理・会計の転職エージェント「ツインプロ」の公式サイトには、転職成功事例として、27歳のメーカー経理の人が、リーダーとして1年間業務を回した経験を評価されて大手事業会社へ転職し、年収が上がった例が載っています。あくまで1人の事例で、誰でも同じように上がるわけではありません。資格名より、任された仕事の中身が書かれている点が印象に残りました。

「今の経験が外でどう見られるのか知りたい」という方は、経理・会計の転職エージェントに聞く方法もあります。ツインプロは、会計士・税理士・経理財務の経験者の転職支援に特化したサービスで、公式サイトでは「今は転職しない」という選択肢も含めて相談できるとしています。求人は首都圏が中心で、経理の実務経験がある方向けです。
サービスの特徴と注意点は、ツインプロの口コミ・評判の記事にまとめています。
仕事の幅を広げるために、今月からできる3つのこと
- 自分の仕事を3段階で書き出す:上の表の「入力・月次資料・決算まわり」のどこまで担当しているかを、紙1枚に書きます
- 次の段階の仕事を1つ引き受ける:たとえば「工事ごとの損益を月1回まとめて社長に見せる」から始めます
- 年収は同じ条件の行で比べる:自分の会社の規模・性別に近い行を見て、全体の平均とだけ比べないようにします
月次で何を見せればよいか迷ったら、社長が月1回見る12項目のチェックリストが、資料づくりの下書きになります。
まとめ:年収の目安を知ったら、任される仕事を1つ増やす
- 経理事務(会計事務従事者)の年収の目安は約512万円。建設業の事務職は約516万円、10〜99人の会社では約408万円
- 統計で年収を押し上げていたのは、経験年数と役職
- 資格手当は会社しだい。私の会社にはない
平均と比べて落ち込むより、「次にどの仕事を任せてもらうか」を決めるほうが、年収には近道です。私も経理未経験からのスタートでしたが、会計ソフトで月次の数字をすぐ出せるようにしてから、社長への報告がしやすくなりました。まずは今月、工事ごとの損益を1枚にまとめるところから始めてみてください。
工事ごとの原価の分け方や、毎月の仕事・決算準備の流れは、私が書いたKindle本にまとめています。Kindle Unlimitedの対象です。
\ 工事原価・毎月の仕事・決算準備の流れを1冊で /
『建設業の経理 はじめの一冊』をAmazonで見る※年収の目安は、厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」(2026年3月24日公表・一般労働者・企業規模10人以上)の表をもとに、月給×12+年間賞与で計算したものです(2026年10月時点で確認)。
以上、建設業7年目のおけいでした!


