
🔍 先に結論
- 誤送金の原因は、カタカナ表記が似た会社名の見間違いでした
- 一人経理のミスは「気をつける」では防げません。見間違えにくい仕組みを先に作ります
- 私がやる対策は2つ。支払一覧で似た名前にマーカーをつける、確定前に口座番号も見る
- 万が一のときは、すぐ銀行に連絡します。相手が気づいて連絡をくれることもあります
今日、振込で誤送金をしてしまいました
今日は協力会社さんへの支払日でした。
私の会社では、支払いをネットバンキングで振り込んでいます。よく使う振込先は登録してあるので、一覧から会社を選んで金額を入れるだけです。毎月くり返している作業で、慣れている手順でした。
その一覧で、カタカナ表記がよく似た別の協力会社さんを選んでいました。
たとえば「ヤマダケンソウ」と「ヤマダケンセツ」のような似かたです(実際の会社名ではありません)。銀行の振込先は、会社名がカタカナで表示されます。漢字なら一目で違うとわかる名前でも、カナになると急に見分けにくくなるんです。
気づいたのは私ではありませんでした。間違えて振り込んだ協力会社さんから、すぐに電話をいただいたんです。「覚えのない入金があるんですが」と。
協力会社さんは、その場で返金を引き受けてくださいました。本来振り込むはずだった会社さんへは、当日中に振込を済ませています。結果として、損をしたのは振込手数料だけで済みました。

今回は相手の方がすぐ気づいてくれたので、大ごとになりませんでした。ただ、もし相手が気づかなかったら。もし返金に時間がかかっていたら。そう考えると、運がよかっただけだと思っています。
一人経理の振込ミスは「注意力」の問題ではない
ミスをした直後、最初に浮かんだのは「もっと気をつけなきゃ」でした。
でも、少し落ち着いて考え直しました。私は今日、手を抜いていたわけではありません。いつもどおりの手順で、いつもどおり画面を見ていました。それでも間違えたんです。
「次はもっと注意する」は、対策になりません。人は同じ条件がそろえば、また同じ見間違いをします。
会社に経理が何人かいれば、入力する人と確認する人を分けられます。いわゆるダブルチェックです。ところが一人経理では、入力するのも確認するのも自分です。自分が見落としたものは、自分ではなかなか見つけられません。
だから必要なのは、注意力を上げることではありません。見間違えにくい状態を、先に作っておくことです。
似た会社名で誤送金が起きる3つの原因
今回の自分のミスをふり返ると、原因は3つに分けられました。

原因1:カタカナ表記だと違いが見えにくい
請求書には、会社名が漢字で書いてあります。ところが銀行の振込先は、口座名義のカタカナで表示されます。
建設業の協力会社さんは「〇〇工業」「〇〇建設」「〇〇興業」のように、似た名前がとても多い業界です。カナにすると「コウギョウ」と「コウギヨウ」、「ケンセツ」と「ケンソウ」のように、1〜2文字しか違わないこともあります。
請求書は漢字、画面はカナ。この「見ている文字が違う」ことが、見間違いの入口でした。
原因2:登録先の一覧で、似た名前が並んでいる
ネットバンキングの登録先一覧は、名前の順に並ぶことが多いです。すると、似た名前の会社ほど近くに並びます。
一覧から選ぶ方式は、口座番号を毎回入力しなくていいので便利です。そのぶん、選ぶ場所を1行ずらすだけで、別の会社に振り込めてしまいます。
原因3:慣れた作業ほど、確認が形だけになる
毎月の支払いは、私にとって慣れた作業です。慣れているからこそ、確認画面を「見たつもり」で進めていました。
確認画面には、振込先の名前も口座番号も出ていたはずです。でも私が見ていたのは、金額だけでした。金額が合っていれば大丈夫、と思い込んでいたんです。

振込先の間違いは、支払いの管理のしかたとつながっています。請求書のチェックから台帳での管理まで、外注先への支払いの流れはこちらの記事にまとめています。
\ 支払いの漏れも防げる /
外注先への支払い管理の手順を読む私がこれからやる再発防止策2つ
原因がわかったので、対策を決めました。大がかりなことはせず、次の支払いからすぐできることにしぼっています。

対策1:支払一覧で、似た名前の会社にマーカーをつける
振込の前に見ている支払一覧で、名前が似ている会社どうしに色をつけます。
ポイントは、マーカーを「注意の合図」にすることです。色がついている行だけは、振込先を選ぶときに手を止めます。すべての行を同じ集中力で見るのは無理でも、色のついた数行だけなら続けられます。
マーカーをつけるときは、漢字の名前だけでなくカナで似ていないかも見ます。今回のように、漢字では似ていなくても、カナにすると似る組み合わせがあるからです。
対策2:確定ボタンの前に、口座番号も見る
これまでは、確認画面で金額しか見ていませんでした。これからは、振込を確定する前に口座番号も支払一覧と照らし合わせます。
会社名は似ていても、口座番号まで同じ会社はありません。名前で迷いやすいなら、名前以外のもので確かめればいい。そう考えました。
支払一覧に口座番号を書いておけば、画面と一覧を見比べるだけで済みます。全部の数字を読み上げなくても、下4桁を見るだけで見間違いはぐっと減らせます。

ほかにも使える工夫
私はまだ試していませんが、一人経理でも取り入れやすい工夫をあと2つ紹介します。
- 登録先の呼び名を工夫する:ネットバンキングによっては、登録先に自分用の名前をつけられます。「内装・〇〇市」のように、工種や地域などの目印を入れておくと区別しやすくなります
- 入力と確定の間に時間をおく:入力を終えたら、いったん別の作業をはさんでから確認します。少し時間をおくだけで「ひとりダブルチェック」になります
もし誤送金してしまったら、まずやること
仕組みを作っても、ミスをゼロにはできません。万が一のときの動き方も、先に知っておくと慌てずに済みます。
その日のうちに、振り込んだ側の銀行へ連絡する
誤送金に気づいたら、自分が振込をした銀行に、できるだけその日のうちに連絡します。銀行に頼んで、振込を取り消してもらう手続きを「組戻し(くみもどし)」といいます。
組戻しには、知っておきたい注意点が2つあります。
- 受け取った相手の同意が必要:銀行が相手に連絡し、相手が承諾してはじめてお金が戻ります
- 手数料がかかるのが一般的:金額は銀行によって違います。相手の同意が得られずお金が戻らなくても、手数料は返ってこないことがあります
時間がたつほど、相手が気づかないまま入金を使ってしまうおそれが高まります。土日や祝日は手続きを受け付けない銀行もあるので、気づいたらすぐ動くのが鉄則です。
取引先どうしなら、直接連絡して返金をお願いする方法も
私の場合は、組戻しの手続きはしていません。間違えた先が取引のある協力会社さんで、先方から電話をいただき、直接返金してもらえたからです。
相手がわかっている取引先なら、こちらから電話で事情を説明し、返金をお願いする方法もあります。なお、間違えて振り込まれたお金は、受け取った側に返す義務があると民法で決まっています(民法703条・不当利得)。とはいえ、取引先には手間をかけてしまう話です。まずは自分から謝ることが一番大切だと感じました。

今日からできる振込チェックリスト
最後に、今回の反省をチェックリストにまとめました。次の支払日の前に、一度だけ準備してみてください。
✅ 振込前のチェックリスト
- 支払一覧に、各社の口座番号(少なくとも下4桁)を書いておく
- カナにすると似る会社どうしに、マーカーで色をつける
- 色のついた会社を振り込むときは、選ぶ前に一度手を止める
- 確定前に「会社名・口座番号・金額」の3つを一覧と照らし合わせる
- 取引先が増えたら、似た名前がないかマーカーを見直す
準備にかかるのは最初の1回だけです。一度作ってしまえば、毎月の支払いでずっと使えます。
まとめ:一人経理だからこそ、仕組みで自分を守る
今回の誤送金は、協力会社さんのおかげで振込手数料だけで済みました。それでも、支払いを任されている立場として、しばらく落ち込みました。
ただ、落ち込んでいても次のミスは防げません。一人経理には、代わりに確認してくれる人がいないからです。自分を守ってくれるのは、自分で作った仕組みだけだと思っています。
もし同じように一人で経理をしていて、「うちも似た名前の会社がある」と思った方がいたら。次の支払日の前に、支払一覧を開いて似た名前を探してみてください。マーカーを数本引くだけでも、私のようなミスはぐっと起きにくくなります。

一人で経理を回していると、振込以外にも「自分しか確認する人がいない」場面がたくさんあります。一人事務で経理・総務・請求まで回す1か月の流れは、こちらの記事で紹介しています。
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