
🔍 先に結論
- 口座は2つ。払うのは地元の信用金庫、大手ゼネコンからの入金はメガバンクと役割を分けています
- 振込は月30件ほど。すべて法人ネットバンキングから行い、窓口やATMには行きません
- 作成から実行まで一人なので、似た名前にマーカー・確定前に口座番号も見ると決めています
- 入金は予定日のその日のうちに確認。明細は自作ツールに読み込み、弥生の仕訳に使っています
私の会社の口座は2つ|信用金庫とメガバンクの役割分担
私の会社の口座の使い分けは、とてもシンプルです。
| 口座 | おもな役割 | お金の動き |
|---|---|---|
| 地元の信用金庫 | メイン口座 | 協力会社への振込など、支払いはここから |
| メガバンク | 入金専用 | 大手ゼネコンからの入金を受けるだけ |
メイン口座は地元の信用金庫
毎月の支払いは、信用金庫の口座から出しています。協力会社さんへの振込も、ここからです。
お金が出ていく口座を1つにまとめておくと、月末の残高を見る場所も1つで済みます。「どの口座から払うんだっけ」と迷う時間がありません。
メガバンクは大手ゼネコンからの入金を受けるだけ
メガバンクの口座は、スーパーゼネコン(大手ゼネコン)からの入金を受けるために使っています。この口座から支払いはしていません。
入金専用にしておくと、明細に並ぶのはほぼ入金だけになります。「入るはずのお金が入ったか」を見るのが楽なのは、この分け方のよいところだと感じています。


振込は月30件ほど|すべて法人ネットバンキングで
振込は、すべて法人向けのネットバンキングから行っています。窓口やATMで振り込むことはありません。件数は、月に30件ほどです。
支払いは月末締め・翌月末払い
協力会社さんへの支払いは、月末締めの翌月末払いです。たとえば9月分の請求は、10月末にまとめて振り込みます。
振込は、ネットバンキングに登録した振込先の一覧から会社を選んで行います。口座番号を毎回打たなくていいぶん、選ぶ行を1つずらすと別の会社に振り込めてしまいます。
作成から実行まで一人だから、確認のしかたを決めておく
私の会社では、振込の前に社長の承認をもらう流れはありません。振込データを作るのも、実行ボタンを押すのも私です。
つまり、間違えても止めてくれる人がいません。だから「気をつける」だけに頼らず、確認のしかたを決めています。
実は以前、カタカナ表記の似た協力会社さんを一覧から選んでしまい、誤送金をしました。それからは、支払一覧で似た名前にマーカーを引き、確定前に口座番号も見るようにしています。くわしい経緯と防ぎ方は、別の記事にまとめました。
\ 一人経理の振込ミスを防ぐ /
似た会社名で誤送金した日の記録を読むあわせて、一人で振込を回すときに確認しておきたい点を3つにまとめました。誤送金の記事のチェックリストと合わせて使ってください。
✅ 一人で振込を実行する前の3点確認
- 件数:支払一覧の件数と、画面の振込件数が同じか
- 合計金額:支払一覧の合計と、画面の合計が同じか
- 振込先:似た名前の会社だけでも、口座番号まで見比べたか
件数と合計が合っていれば、抜けや二重払いにはその場で気づけます。振込先の取り違えは合計では見つからないので、3つ目だけは別に見ます。

入金は予定日のその日に確認|月5回ほど
入金の確認も、ネットバンキングで行っています。入金の予定日には、その日のうちに確認します。回数にすると月5回ほどです。
出来高請求だから、入金額は毎月ちがう
元請けへの請求は、ほぼすべての現場が出来高請求です。出来高請求とは、その月までに進んだ工事の分だけを請求するやり方です。
進み具合で請求額が変わるので、入金額も毎月同じにはなりません。「先月と同じくらい」と思って通帳を見ると、違いに気づけないことがあります。その月に請求した金額と比べるのが確実です。
入金を見たら、請求した金額と照らし合わせる
入金を確認するときに見たいのは、次の3つです。
- 入ったか:予定日に、予定した元請けから入金があるか
- 金額は合っているか:請求した金額と同じか。違うなら、差し引かれたものの理由がわかるか
- 入っていないものはないか:予定日を過ぎても入金がないものは、早めに元請けへ確認する
金額が違っていても、理由がわかれば慌てなくて大丈夫です。わからない差額をそのままにしないことが、いちばん大事だと思っています。
支払いは月末、入金は元請けごとにばらばら。この「払う日」と「もらう日」のズレを日付で並べると、月末の残高の見通しが立ちます。やり方は支払サイトのズレを計算して資金繰りを先読みにまとめています。
明細は自作ツールに読み込んで弥生の仕訳へ
ネットバンキングの明細は、私がAIで作った入出金管理のツールに読み込んでいます。そこから、会計ソフト(弥生)の仕訳に使っています。
Excelで管理していたころは、月別の入出金表と年間の入出金表に、同じ内容を2回入力していました。手間がかかるうえに、打ち間違いも心配でした。
今は、銀行の明細を読み込むだけです。入力のミスが減り、入出金の管理にかかる時間は半分以下になりました。

ツールを自分で作るときの進め方は、AIで経理ツールを自作する5ステップに書いています。自動化する作業を1つ選ぶところから、検算やバックアップまでの手順です。

一人で法人ネットバンキングを使うときの安全対策
ネットバンキングは便利なぶん、パスワードを盗まれると不正送金の被害にあうおそれがあります。全国銀行協会は、法人の利用者に次のような対策をすすめています。
- ワンタイムパスワード(1回だけ使える使い捨てのパスワード)など、銀行が用意している対策を使う
- パソコンのOSやブラウザを最新にし、サポートが終わったものは使わない
- セキュリティ対策ソフトを入れて、最新の状態にしておく
- 振込の限度額を、必要な範囲でできるだけ低くしておく
- 身に覚えのないログイン履歴や取引がないか、定期的に見る
- 銀行を名乗るメールやSMSのリンクを開かず、銀行の公式サイトで確かめる
全銀協は、振込を申請する人と承認する人で別のパソコンを使うこともすすめています。ただ、一人経理ではこの形がとれません。限度額と履歴の確認で補うのが現実的だと私は考えています。
もう1つ知っておきたいのが、被害にあったときの補償です。法人のネットバンキングの不正送金は、個人と同じように補償されるとは限りません。補償するかどうかは各銀行が個別に判断する、とされています。使っている銀行の規定を一度読んでおくと安心です。
出典:全国銀行協会「ネットバンキング犯罪対策」/同「銀行および法人のお客さまに求められるセキュリティ対策事例」(2014年7月)/同「法人向けインターネット・バンキングに係る預金等の不正な払戻しへの対応について」(2014年5月)
📌 あわせて読みたい
- 【一人経理】似た会社名で誤送金した日と再発防止の工夫
登録先一覧で似た名前を選んでしまった原因と、マーカー・口座番号で防ぐ方法、誤送金したときの動き方です。 - 【建設業】支払サイトのズレを計算して資金繰りを先読み
締め日と支払日を日付で並べて、月末の残高の「底」を3か月先まで見つける手順です。 - 【経験ゼロ】AIで経理ツールを自作する5ステップ
プログラミング未経験から、AIに日本語で頼んで業務ツールを作った手順です。
まとめ:銀行を変えなくても、回し方は整えられる
- 口座は「払う口座」と「受け取る口座」に役割を分けると、見る場所がはっきりする
- 振込は法人ネットバンキングで。一人で実行するなら、件数・合計・振込先の確認を手順に入れる
- 入金は予定日のその日に、請求した金額と照らし合わせる
- 明細の二重入力は、読み込みで減らせる
- ネットバンキングの安全対策は一度点検しておく
「ネット銀行に替えないと効率化できない」と思う必要はありません。私の会社も、今も信用金庫とメガバンクです。大事なのは、口座の役割と確認の順番です。
まずは次の支払日の前に、自社の口座を書き出してみてください。「この口座は払う用?受け取る用?」と1行ずつ書くだけで、どこを見ればいいかが見えてきます。
支払いや入金の確認は、建設業の経理の毎月の仕事の一部です。請求書の入力から支払い、入金の消し込み、月次資料づくりまでの1か月の流れは、私が書いたKindle本『建設業の経理 はじめの一冊』の第3章にまとめています。
\ 経理の1か月の流れを1冊で /
Amazonで本の中身を見る
以上、建設業7年目のおけいでした!


