内装工事業の利益率の平均は?公的統計の年度別データと儲かる内装屋の特徴【2026年】

内装業・内装工事の利益率を解説するアイキャッチ画像 事業とお金の管理
記事内に広告が含まれています。
おけい
おけい
内装業って参入はしやすいけど、売上はあるのにお金が残らない…うちは儲かってる方なの?それともマズいの?
けいりん
けいりん
利益率の目安を知ると、自社の現在地がはっきり分かるよ!平均値・利益が残らない理由・儲かる会社の特徴まで、順番にやさしく見ていこうね^^

今回の記事でわかること

  • 内装工事業の平均利益率(公的な統計・年度別の推移)
  • 利益が残らない3つの共通原因
  • 儲かる会社の3つの特徴
  • 明日から始められる利益改善のポイント

建設業の中でも、内装業は比較的参入しやすい業種ですが、その一方で「利益が残らない」と悩む会社も少なくありません。

「売上はあるのにお金が残らない」
「忙しいのに利益が出ていない」

このような悩みを抱えている内装会社は多いのではないでしょうか。

実際、内装業は材料費・外注費・人件費など多くのコストがかかるため、適切に管理しなければ利益が出にくい業種です。

この記事では

・内装業の平均利益率
・利益が出ない会社の共通点
・儲かる会社の特徴

を分かりやすく解説します。

これから会社経営を安定させたい方や、利益改善を考えている方はぜひ参考にしてください。


🔍 先に結論

  • 内装工事業の営業利益率は平均▲1.9%・中央値0.5%(日本政策金融公庫・2024年度調査)。5%を超えれば上位クラス
  • 利益が残らない原因は3つ。儲かる会社には共通の特徴がある
  • 明日から始められる利益改善のポイントとよくある疑問Q&Aも解説
内装業の利益率の全体像

内装業・内装工事の平均利益率

まず気になるのが、内装業の利益率です。

内装業の利益率を、公的な統計で確認してみましょう。「内装工事業」だけの数字が出ているのは、日本政策金融公庫の調査です。

内装工事業の利益率(日本政策金融公庫・2024年度調査)

指標平均値中央値黒字の会社の平均
粗利益率(完成工事高総利益率)43.0%36.2%44.6%
営業利益率▲1.9%0.5%4.3%

出典:日本政策金融公庫「小企業の経営指標調査」(2024年度調査)業種別経営指標「内装工事業」。従業者50人未満の小企業676社(テックス工事・壁紙工事・室内装飾工事など)が対象。「黒字の会社の平均」は黒字かつ自己資本プラスの301社の平均。▲はマイナスです。

小さな会社が中心の調査なので、粗利益率は高めに出ています。一方で営業利益率は、平均がマイナス、真ん中の会社(中央値)でも0.5%です。黒字の会社に絞っても4.3%でした。

年度別の推移(専門工事業・2020〜2024年度)

年度ごとの推移は、内装工事業だけの数字が公表されていません。そこで、建設業情報管理センター(CIIC)の「建設業の経営分析」を見てみます。この調査では、内装工事を含む専門工事業が「職別」という区分でまとめられています。

年度職別 粗利益率職別 営業利益率建設業全体 粗利益率建設業全体 営業利益率
2020年度(令和2年度)27.54%0.30%25.41%1.27%
2021年度(令和3年度)27.78%0.08%25.65%1.03%
2022年度(令和4年度)27.64%▲0.42%25.57%0.33%
2023年度(令和5年度)28.08%▲0.11%25.95%0.70%
2024年度(令和6年度)28.68%0.30%26.50%1.20%

出典:一般財団法人 建設業情報管理センター「建設業の経営分析」(令和2〜6年度版)図表-70 業種別 財務比率分析表。各年度の4月〜翌年3月に決算を迎え、経営状況分析を申請した中小の建設会社が対象(令和6年度は全体43,099社・職別7,960社)。数値は会社ごとの比率の単純平均です。

5年間、粗利益率は28%前後、営業利益率は0%前後で、ほとんど変わっていません。

結局、どのくらいなら「儲かっている」?

利益区分統計から見た目安
粗利益率25〜30%前後(小さな会社では35〜45%ほどになることも)
営業利益率平均・中央値は0%前後。黒字の会社で4%台、5%を超えれば上位クラス

参考までに、同じCIICの調査(令和6年度)では、全業種で上位25%目にあたる会社の営業利益率が6.53%でした。営業利益率5%以上を安定して出せていれば、建設業の中でもかなり利益が残っている会社と言えます。

では、粗利益と営業利益の関係を、金額で見てみましょう。

例えば、1,000万円の工事の場合を考えてみましょう。

売上:1,000万円
材料費・外注費:700万円

粗利益:300万円(粗利益率30%)

ここから

・人件費
・事務所家賃
・車両費
・保険
・通信費

などの経費を差し引いたものが最終的な利益になります。

たとえば経費が280万円かかれば、営業利益は20万円(営業利益率2%)しか残りません。統計で営業利益率の平均が0%前後にとどまっているのは、粗利益のほとんどが経費で消えているということです。

自社の営業利益率がマイナスなら、原価管理や経費管理の見直しが急務です。反対に、5%を超えていれば上位クラスと言えます。

けいりん
けいりん
まずは決算書を開いて、自社の営業利益率(営業利益÷売上高)を計算してみてね!統計の平均は0%前後。プラスなら平均以上、5%を超えたら上位クラスだよ^^

利益が残らない3大原因

内装業で利益が残らない理由

売上はあるのに利益が残らない会社には、いくつかの共通点があります。

ここでは代表的な原因を紹介します。

原価管理ができていない

建設業では、工事ごとの原価管理がとても重要です。

しかし実際には

・材料費を正確に把握していない
・外注費が想定より高くなる
・追加工事の請求をしていない

このようなケースが多く見られます。

工事が終わってから「思ったより利益が少ない」と気づく会社も少なくありません。

原価を把握せずに工事を進めてしまうと、知らないうちに利益が減ってしまいます。

🏢 私の会社の場合

私の会社も以前はどんぶり勘定で、赤字に気づくのは工事が終わってからでした。大幅な赤字が分かって、社内が大混乱になったこともあります。

入社して1〜2年目からは毎月、工事別の原価台帳と会社全体の損益、番頭ごとの損益を月次資料にまとめています。資料が固まるのは翌月の中旬ですが、工事の途中で赤字に気づけるようになりました。

実行予算と原価台帳を比べると、粗利が予算を大きく下回る現場がいくつもありました。原因には、追加工事の代金をもらえていないことなどがありました。毎月の会議で画面を見せて説明するうちに、社長が数字の変化に自分で気づけるようになってきました。

📊 実行予算書のExcelテンプレート(無料版あり)

工事ごとの利益を見えるようにする第一歩は、着工前に実行予算書で「この工事に使える原価の上限」を決めることです。実行予算書の作り方と続けるコツを、無料のExcelテンプレートつきでまとめました。無料版は実行予算書1枚のシンプルな形で、原価を入れると粗利と粗利率まで自動で計算されます。見積書と連動し、単価マスタと月別出来高(13ヶ月分)がついた完全版の案内も同じ記事にあります。

\まずは無料版で1現場(登録不要)/

無料の実行予算書テンプレを見る

見積もりが安すぎる

仕事を取りたいあまり、見積もりを安く出してしまうケースもよくあります。

特に下請け工事の場合、

「次も仕事をもらいたい」
「他社に取られたくない」

という理由で、利益を削ってしまうことがあります。

しかし、利益が出ない価格で仕事を続けても、会社の経営は安定しません。

適正な利益を確保した見積もりを出すことが重要です。

経費が多すぎる

利益が残らない原因として、経費の増加もあります。

例えば

・車両費
・ガソリン代
・工具
・通信費
・事務所費用

などが積み重なると、利益を圧迫してしまいます。

特に従業員が増えると経費も増えるため、定期的に見直すことが大切です。

けいりん
けいりん
原価・見積・経費の3つは「利益が残らない3点セット」!どれか1つでも放置すると、忙しいのにお金が残らない状態になっちゃうよ…

儲かる会社の3つの特徴

儲かる内装屋・内装会社の特徴

では、利益が出ている会社にはどのような特徴があるのでしょうか。

実際の内装会社を見ると、共通しているポイントがあります。

原価管理を徹底している

利益が出ている会社は、工事ごとの原価をしっかり管理しています。

例えば

・工事ごとに原価表を作る
・材料費を必ず記録する
・外注費を事前に確認する

このように、工事ごとの利益を把握しています。

工事ごとの利益が分かれば

「どの工事が儲かっているのか」
「どの工事で利益が出ていないのか」

を分析することができます。

見積もりの精度が高い

儲かる会社は、見積もりの精度が高い傾向があります。

その理由は

・過去の原価データを持っている
・材料費を正確に把握している
・工事の手間を計算できる

からです。

見積もりの精度が高いほど、利益が安定します。

番頭や現場管理がしっかりしている

内装業では、現場をまとめる「番頭」の存在がとても重要です。

番頭の役割は

・職人の手配
・工程管理
・材料管理
・現場トラブル対応

など多岐にわたります。

番頭が優秀な会社は

・工事がスムーズに進む
・無駄なコストが減る
・利益が安定する

という特徴があります。

けいりん
けいりん
儲かる会社の共通点は「数字を見ている」こと!工事別の利益が見えるだけで、判断のスピードがガラッと変わるよ^^

内装業で利益を上げるためのポイント

最後に、利益改善のために意識したいポイントを紹介します。

工事ごとの利益を必ず確認する

建設業では、会社全体の利益だけでなく、工事ごとの利益を確認することが重要です。

工事ごとの利益を把握することで

・利益の出る工事
・利益の出ない工事

を見極めることができます。

原価管理を仕組み化する

原価管理は、担当者の感覚ではなく「仕組み」で行うことが重要です。

例えば

・原価管理表を作る
・材料費を毎回記録する
・工事ごとに利益を確認する

このような仕組みを作ることで、利益管理がしやすくなります。

資金繰りも意識する

建設業では、利益だけでなく資金繰りも重要です。

工事が終わってから入金まで時間がかかることも多いため、

・支払いサイト
・入金サイト

を把握しておく必要があります。

資金繰りを意識した経営を行うことで、会社の安定につながります。

けいりん
けいりん
利益と資金繰りはセットで見るのが大事!「利益は出てるのに残高が減る」のは入金サイトと支払いサイトのズレが原因のことが多いよ^^

内装業の年収はどれくらい?【職人・一人親方・経営者】

利益率とあわせてよく聞かれるのが「内装業の年収」です。立場によって金額の考え方がまったく違うので、分けて整理します。

立場年収の目安ポイント
会社勤めの職人350〜450万円前後地域・経験年数で差。資格手当で上積みできる
一人親方400〜700万円程度売上ではなく「手残り」で見る。経費・保険・税金を引いた額が実質の年収
内装会社の経営者会社の利益次第営業利益率0%と5%では役員報酬の余力が大きく変わる

※求人情報や公的統計の傾向をもとにした目安です。地域・工種(クロス・軽鉄・ボードなど)でも変わります。

ここで大事なのは、一人親方や経営者の年収は「売上」ではなく「利益率の管理」で決まるということ。売上1,000万円でも、材料費・外注費・経費を引いた残りが400万円なら、それがあなたの年収です。

年収は売上ではなく、残ったお金で決まります。年収を上げたい方こそ、この記事で解説してきた原価管理と見積もりの見直しが近道です。

せきさんくん
せきさんくん
一人親方は売上700万円でも、経費次第で手残り400万円ということもあるんだ。数字の管理が年収に直結するよ!

内装屋は儲かる?よくある疑問Q&A

「内装屋は儲かるの?」という疑問をよく耳にします。ここでは、現場でよく出る疑問に答えます。

Q. 内装屋(一人親方)の利益率はどれくらい?

一人親方の内装屋の場合、材料費・外注費がかからない分、粗利益率は30〜50%に達することもあります。ただし、人件費(自分の給与分)や道具・車両の維持費を差し引くと、手元に残る実質利益は20〜30%程度が目安です。

Q. 内装工事の利益率が低い原因は?

内装工事の利益率が低くなりがちな主な原因は以下の3つです。

  • 見積もりが安すぎる(材料費・人工の見落とし)
  • 工期延長・手戻りによる追加コスト
  • 下請け単価の低さ(元請けへの交渉力不足)

Q. 内装業で儲かっている会社は何が違う?

儲かる内装屋・内装会社は、「工事ごとの原価管理」と「見積もり精度」に力を入れています。月次で工事別の利益を確認し、利益が出ない工事の受注を見直す仕組みがあることが共通点です。

月1回の数字チェック

まとめ

内装業の利益率は

・粗利益率:25〜30%前後(小さな会社は35〜45%ほど)
・営業利益率:平均は0%前後、5%を超えれば上位クラス

が公的な統計から見た目安です。

しかし実際には

・原価管理
・見積もり
・経費管理

によって利益は大きく変わります。

儲かる会社の多くは

・原価管理を徹底している
・見積もりの精度が高い
・現場管理がしっかりしている

という特徴があります。

内装業は、管理の仕組みを整えることで利益を大きく改善できる業種です。

まずは工事ごとの利益を把握することから始めてみてください。

けいりん
けいりん
利益率は「数字の通信簿」!まずは決算書か月次試算表で自社の数字をチェックして、改善のヒントを見つけていこうね♪

この記事のまとめ

  • 営業利益率の平均は0%前後。5%を超えれば上位クラス
  • 利益が残らない3大原因は原価管理・見積・経費
  • 儲かる会社は工事別損益を必ず見ている
  • 利益と資金繰りはセットで管理する

以上、建設業7年目のおけいでした!

あわせて読みたい関連記事