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建設業の経理で悩みやすいのが、材料費の仕訳です。
一般的な会社とは違い、建設業では材料を「工事に投入するまで資産として管理」するため、仕訳が複数ステップに分かれます。
私自身も経理担当になりたての頃、材料を購入したときに何の科目を使えばいいのか分からず、先輩に何度も確認していました。
この記事では、材料費の購入から工事完成までの仕訳の流れを、場面ごとに具体的な数字を使って解説します。
🔍 先に結論


建設業の材料費は、工事に使用するコンクリート・鉄筋・木材・電線などの費用を指します。
一般的な製造業と似ていますが、工事ごとに原価を把握するという点が建設業ならではの特徴です。
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 材料費 | コンクリート・鉄筋・木材・電線など工事に直接使う材料 |
| 購入時の科目 | 材料貯蔵品(資産)または未成工事支出金(資産) |
| 工事完成後 | 完成工事原価に振り替え |

材料を購入した時点では、まだ工事に使用していないため、「材料貯蔵品」または「未成工事支出金」として資産計上します。

すでにどの工事に使うか決まっている材料は、購入時点から「未成工事支出金」で処理できます。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 未成工事支出金 | 500,000円 | 買掛金 | 500,000円 |
例:A工事用の鉄筋を50万円分購入した場合
どの工事に使うか決まっていない材料(倉庫保管分)は、「材料貯蔵品」として資産計上します。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 材料貯蔵品 | 300,000円 | 買掛金 | 300,000円 |

倉庫から材料を工事現場に出庫した時点で、「材料貯蔵品」から「未成工事支出金」に振り替えます。
工事に材料を投入した時点で原価が発生する、というイメージです。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 未成工事支出金 | 300,000円 | 材料貯蔵品 | 300,000円 |
例:倉庫から300万円分の材料をA工事に出庫した場合


工事が完成・引き渡しが完了した時点で、「未成工事支出金」に積み上がったすべての原価を「完成工事原価」に振り替えます。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 完成工事原価 | 800,000円 | 未成工事支出金 | 800,000円 |
この仕訳で、工事原価が損益計算書に計上され、利益が確定します。
工事が完成しても材料が余った場合は、残材を「材料貯蔵品」に戻す仕訳が必要です。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 材料貯蔵品 | 50,000円 | 未成工事支出金 | 50,000円 |
例:A工事から5万円分の材料が残った場合

ここまでの流れを整理すると、以下のようになります。
| タイミング | 借方 | 貸方 |
|---|---|---|
| ①材料購入(倉庫保管) | 材料貯蔵品 | 買掛金 |
| ②工事現場へ出庫 | 未成工事支出金 | 材料貯蔵品 |
| ③工事完成・引き渡し | 完成工事原価 | 未成工事支出金 |
| ④残材の戻し入れ | 材料貯蔵品 | 未成工事支出金 |

材料を購入・出庫する際は、工事番号を必ず記録しましょう。
複数の工事が同時進行している場合、どの工事にいくら使ったか分からなくなるのが一番のミスです。
倉庫の材料は月次で棚卸しを行い、帳簿残高と実際の残高を照合します。
帳簿と実際が合っているか確認する習慣が、決算時のトラブルを防ぎます。
材料が廃棄・損傷した場合は、「材料廃棄損」として費用処理が必要です。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 材料廃棄損 | 20,000円 | 材料貯蔵品 | 20,000円 |

材料を購入する際の消費税処理で注意が必要なポイントをまとめます。
| ケース | 消費税区分 | 注意点 |
|---|---|---|
| 資材購入(インボイス登録業者から) | 課税仕入れ(10%) | インボイスの受領と保管が必要 |
| 資材購入(インボイス未登録業者から) | 仕入税額控除に制限あり | 2023年10月以降は経過措置を確認 |
| 輸入材料の購入 | 輸入消費税(税関で納付) | 輸入消費税は仕入税額控除の対象 |

私自身も材料費の管理で一番手間取ったのが「現場に直送された材料の把握」です。現場担当者が直接注文して納品を受けるケースでは、経理に情報が届くのが遅れがちです。現場と経理の情報共有ルールを決めておくことがとても重要です。

材料費の仕訳で最も大変なのは「どの工事に使ったか」を把握することです。現場担当者が直接業者に発注するケースでは、納品書が経理に届かないまま材料が消費されることがあります。
この問題を解決するために、当社では発注書に工事番号を必ず記入するルールにし、納品書にも工事番号を手書きで記入してもらっています。経理にとって「どの工事の材料費か」が一目でわかるようになり、入力効率と正確性が大きく改善しました。
材料の管理レベルを上げることは、工事原価の精度向上に直結します。見積りで計画した材料費と実際の材料費を比較することで、次の見積り精度が上がり、会社全体の利益率改善につながります。
建設業の材料費仕訳をマスターすることは、工事原価管理の第一歩です。「購入→現場投入→完成振替」の流れを意識して日々の仕訳を積み上げることで、決算時の工事原価計算が正確に行えるようになります。材料費の管理精度を高めることが、見積りの精度向上と利益率の改善につながります。
建設業の材料費仕訳は、購入→出庫→完成という流れに沿って仕訳が変わります。
この流れを頭に入れておくだけで、現場でも迷わずに対応できます。

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