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建設業経理士1級「財務分析」は、公式の暗記量に圧倒されがちな科目です。でも見方を変えると、比率計算だけで配点の半分(約50点)を占める、覚えた分がそのまま点になる科目でもあります。
私は9月の第39回でこの科目を受験する建設業経理7年目です。丸暗記が苦手な私が実際にやっている「忘れにくい覚え方」を紹介します。
公式集を最初から最後まで丸暗記しようとすると、多くの人が途中で挫折します。大事なのは、暗記の「入れ物」を先に用意しておくことです。入れ物さえあれば、1つずつ入れていくだけで自然と積み上がります。
🔍 先に結論
- 比率計算(第3問+第5問)だけで約50点。公式暗記=得点に直結
- 公式は5つの引き出し(収益性・安全性・活動性・生産性・成長性)に分けて覚える
- 丸暗記ではなく「式を日本語で読む」と忘れない
- 建設業特有の比率(完成工事高◯◯率など)は2級知識の読み替えで攻略
出題構成|比率計算が配点の半分を占める

公式の配点は非公表ですが、受験者の間で共有されている分析ではこう見られています。
| 問 | 内容 | 配点(受験者分析) |
|---|---|---|
| 第1問 | 論述(理論の記述) | 20点 |
| 第2問 | 理論の穴埋め | 15点 |
| 第3問 | 財務諸表の穴埋め推定(比率からの逆算) | 20点 |
| 第4問 | 個別計算(生産性・損益分岐点など) | 15点 |
| 第5問 | 諸比率の算定 | 30点 |
第3問と第5問はどちらも「公式を知っているか」の勝負です。合わせて約50点。公式さえ固めれば合格ライン70点の大半が見えてくる、はっきりした構造の科目です。

公式は「5つの引き出し」に分けて覚える

公式を1本ずつバラバラに覚えると必ず混ざります。試験範囲の公式は、公式の出題区分表でも次の5分類で整理されています。まず引き出しを作りましょう。
| 引き出し | 何を見る比率か | 代表例 |
|---|---|---|
| 収益性 | どれだけ効率よく稼いだか | 完成工事高経常利益率、総資本利益率 |
| 安全性 | 支払い能力・つぶれにくさ | 流動比率、当座比率、自己資本比率 |
| 活動性 | 資産を何回転させたか | 総資本回転率、受取勘定回転率 |
| 生産性 | 人や設備がどれだけ生んだか | 労働生産性、付加価値率 |
| 成長性 | 前期からどれだけ伸びたか | 完成工事高増減率 |
新しい公式に出会ったら、まず「これはどの引き出しの話か」を確認してから覚える。それだけで頭の中の置き場所が決まり、思い出すときも引き出しから辿れます。
試験本番で公式が思い出せなくなったときも、この5分類が助けになります。「この問題は安全性の話だから、流動比率か当座比率のどちらかだ」というように、引き出しから答えを絞り込めるからです。
丸暗記しない3つのコツ

コツ① 式を「日本語で読む」
公式は記号ではなく意味で覚えます。たとえば完成工事高経常利益率なら、「売上(完成工事高)のうち、経常利益が何%残ったか」。こう読めば、分子と分母を逆にする事故は起きません。
コツ② 紛らわしいペアは並べて覚える
単独で覚えると混ざるものは、最初からセットで対比します。
- 流動比率と当座比率:当座比率は分子から棚卸資産(未成工事支出金など)を外した厳しめ版
- 総資本と経営資本:経営資本は本業に使っている資産だけに絞った版(建設仮勘定や投資資産を除く)
コツ③ 建設業版への「読み替え表」を作る
建設業経理士の財務分析は、一般の簿記で見る言葉が建設業仕様に置き換わります。売上高→完成工事高、売掛金→完成工事未収入金、仕掛品→未成工事支出金。この読み替えさえ頭に入れば、2級までの知識がそのまま土台になります。

建設業特有の比率に注意する

一般の財務分析の本には出てこない、建設業経理士ならではの比率があります。代表格が完成工事高キャッシュ・フロー率です。
しかもこの計算で使う「純キャッシュ・フロー」には、建設業らしく未成工事受入金の増減額が組み込まれます。工事代金の前受けが資金繰りを左右する業界だからこその式で、実務をやっている方ほど「なるほど」と腹落ちするはずです。
この科目の計算は、試験で配られる「財務分析主要比率表」の体系に沿って出題されます。テキストの巻末などで一度全体を眺めて、「一般の簿記にない顔ぶれ」に印を付けておくと、直前期の見直しが速くなります。
実務で工事代金の前受け・前払いを扱っている方は、この論点は特に理解しやすいはずです。試験問題として文字で見るより先に、実際の資金の動きとして体感している分、飲み込みが早いという声もよく聞きます。
私の暗記ルーティン|1日5個×毎日

公式は一夜漬けが効かない代わりに、毎日少しずつなら確実に貯まります。私のやり方はこうです。
- 昼休みの30分:スマホの自作アプリで公式クイズを回す(1日5個の新規+前日の復習)
- 寝る前の3分:今日の公式を3つだけ、日本語の意味で思い出す
- 夜の演習日:第3問形式の逆算問題を問題集で解き、公式を「使う側」から確認する
なお、残りの配点のうち論述(20点)は自己採点が難しい分野です。添削サービス付きの講座を論述専用に使う手もあります。
公式クイズの元ネタにしている教材はこちら。テキストと過去問の一体型です。
まとめ|公式は「引き出し×意味」で覚える
- 比率計算だけで約50点。公式暗記が最大の得点源
- 5つの引き出し(収益性・安全性・活動性・生産性・成長性)に分類してから覚える
- 式は日本語で読む。紛らわしいペアは並べて対比
- 建設業特有の比率と読み替え(完成工事高・未成工事受入金)に注意
公式の暗記は、財務分析という科目があなたに用意してくれた「確実に取れる50点」です。今日の昼休みから、まず5個だけ始めてみてください。

以上、建設業7年目のおけいでした!


