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建設業経理士1級で2級までと決定的に違うのが、第1問の論述です。そして多くの受験生が誤解しています。論述は「満点を取る問題」ではなく「部分点を拾う問題」です。
私も9月の試験(財務諸表・財務分析)に向けて論述の練習中の身です。完璧な答案は書けません。それでも部分点を積む書き方には、はっきりした型があります。
計算問題なら「正解か不正解か」がはっきりしますが、論述は「どこまで書けば点になるのか」が見えにくく、不安を感じやすい分野です。だからこそ、感覚ではなく型で対応するのが一番の近道になります。
🔍 先に結論
- 論述は部分点狙いでいい。完答できる受験生はほぼいない
- 点になるのはキーワード。文章のうまさではない
- 型は「結論→理由(定義)→建設業での例」の3ステップ
- 白紙だけは絶対にNG。何か書けば拾われる可能性が残る
論述問題の正体を知る

1級の各科目では、第1問で理論の記述問題が出ます。受験者の間の分析では配点20点前後とされています(公式には配点も採点基準も公表されていません)。
採点基準が非公開ということは、裏を返せば「どう書けば減点されるか」を気にしすぎても意味がないということです。合格ラインは70点。論述で仮に半分の10点しか取れなくても、計算と理論穴埋めで十分カバーできる設計になっています。
だから戦略はこうなります。論述に怯えて勉強時間を注ぎ込むのではなく、「10点前後を安定して拾う型」を身につけて、残りの時間を配点の大きい計算問題に回す。
時間配分の目安としては、全体の学習時間のうち論述対策は1〜2割程度で十分です。残りは計算問題の反復に回したほうが、総合点は確実に伸びます。

部分点を拾う「3ステップの型」

論述の採点は、答案に含まれるキーワードと論点の骨子で判断されると一般に言われています。文豪の文章力は要りません。私が練習で使っている型はこれだけです。
- STEP1 結論:問いにそのまま正面から答える1文を最初に書く
- STEP2 理由・定義:教科書のキーワードを使って理由や定義を書く
- STEP3 具体例:可能なら建設業での例を1つ添える
たとえば「工事損失引当金について説明しなさい」なら——結論「工事損失引当金とは、工事原価総額が工事収益総額を超える見込みとなった場合に、その超過額(損失見込額)を引き当てる負債性引当金である」。ここに「原価総額が収益総額を超過」「損失見込額」「引当金の要件」といったキーワードが入っていれば、骨子は伝わります。
この後にSTEP3として「たとえば、追加工事による原価増加が見込まれ、当初契約額を上回ることが確実になった場合に計上する」のように、建設業らしい具体例を1文添えると、答案としての説得力がぐっと増します。
やってはいけない答案3つ

- 白紙で出す:0点が確定します。関連するキーワードを並べるだけでも書く
- 知っていることを全部書く:問いに答えていない長文は点になりません。1文目で必ず問いに答える
- 自己流の言葉に言い換える:「なんとなくの説明」より、テキストの用語をそのまま使うほうが安全です

練習法|週1テーマ、15分だけ書く

論述の力は読むだけでは付きません。かといって毎日書く時間もない。私の練習はこの2本立てです。
- 週1回、15分で1テーマ書く:時間を区切って書き、テキストの該当ページとキーワードを照合する。「入れられなかったキーワード」がそのまま復習リスト
- 毎日、理論を30秒で口頭説明する:昼休みの暗記カードのついでに、1つだけ「誰かに説明するつもり」で口の中で言ってみる。書く練習の下地になります
私は自作の勉強アプリに論述練習のテーマを16個入れて、自作の模範解答と照合できるようにしています。過去問や参考書から頻出テーマを洗い出し、それぞれに対して自分なりの模範解答を1つずつ用意しておくと、本番前の総復習が一気に楽になります。
ただし、論述だけは独学の弱点がはっきり出ます。自分の答案を自分で採点できないからです。ここだけ人の目を借りるのは、費用対効果の高い投資だと思います。
自己採点だと「たぶん合っているだろう」で終わってしまい、キーワードの抜け漏れに気づけません。第三者の目で「ここが足りない」と指摘してもらえるだけで、答案の精度は大きく変わります。
直前期は「書き出しの型」を仕込んでおく

試験のヤマは張れません。でも、どのテーマが来ても使える「書き出しの型」は仕込めます。
- 「◯◯とは、〜をいう。」(定義から入る)
- 「◯◯の目的は、〜することにある。」(目的から入る)
- 「◯◯と△△の相違点は、〜の点にある。」(比較から入る)
本番で頭が真っ白になっても、この型に当てはめれば1文目が書けます。1文目が書ければ、手が動き出します。
逆に、1文目が書けずに固まってしまうと、そのまま時間だけが過ぎていきます。書き出しのパターンを2〜3個、体に染み込ませておくだけで、この「固まる時間」をほぼゼロにできます。
まとめ|論述は「拾う」試験
- 論述は部分点狙い。合否は計算で決め、論述で落とさない
- 型は「結論→理由(キーワード)→建設業での例」
- 白紙・問いに答えない長文・自己流の言い換えはNG
- 週1テーマ15分+毎日30秒の口頭説明で、書く力は積み上がる
論述の練習は、実は実務の「説明力」の練習でもあります。税理士さんや社長に会計処理を説明する場面で、この型はそのまま使えます。試験勉強がそのまま仕事の武器になる——1級のいちばんおいしいところかもしれません。
「結論→理由→具体例」の型は、社内での説明資料や上司への報告にもそのまま応用できます。試験のための勉強で終わらせずに、日々の仕事の中でも意識して使ってみてください。
以上、建設業7年目のおけいでした!


