
🔍 先に結論
- 保険料などの控除証明書は、10月から11月にかけて社員の家に届きます
- なくすと再発行を頼むことになり、届くまで1〜2週間ほど待つことがあります
- いちばん確実なのは、届いたらすぐ会社に持ってきてもらい、原本を預かることです
- 社員にはチェックリストを配り、自分が出す書類に✅を付けてもらうと、出し忘れが減ります
年末調整の必要書類チェックリスト|社員から集める書類一覧
年末調整で社員から集める書類は、「全員が出す申告書」と「当てはまる人だけ出す証明書」の2種類です。なくして困るのは、後ろの証明書のほうです。申告書は会社が配る用紙なので、なくしても刷り直せます。
全員が出す申告書
- 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
- 基礎控除申告書(配偶者控除などの申告書と1枚になった用紙)
2026年分(令和8年分)は、基礎控除申告書の様式が変わりました。用紙の変更点と配り方は、年末調整の書類を集める段取りの記事にまとめています。
用紙の欄ごとの書き方と、「源泉控除対象配偶者」などわかりにくい言葉の意味は、社員向けに年末調整の書き方を解説した記事にまとめました。用紙を配るときに、URLを一緒に送ってください。
当てはまる人だけ出す証明書
保険料や掛金を自分で払っている人は、給与所得者の保険料控除申告書に、払ったことを証明する書類を添えて出します。ほかに、住宅ローン控除の2年目以降の人と、今年の途中で入社した人にも、出してもらう書類があります。
| 証明書・書類 | 出す人 |
|---|---|
| 生命保険料控除証明書 | 生命保険・医療保険・個人年金保険に入っている人 |
| 地震保険料控除証明書 | 火災保険に地震保険を付けている人 |
| 国民年金保険料の控除証明書 | 自分や家族の国民年金保険料(国民年金基金の掛金を含む)を、自分で払った人 |
| 小規模企業共済等掛金の控除証明書 | iDeCo(個人型の確定拠出年金)などの掛金を、自分で払った人 |
| 住宅ローン控除の申告書(税務署から届く用紙)と、金融機関の年末残高等証明書(借入先によっては不要) | 住宅ローン控除の2年目以降の人 |
| 前の会社の源泉徴収票 | 今年の途中で入社した人 |
本人が直接払った国民健康保険料などは、証明書の添付がいりません。保険料控除申告書に書くだけです。

控除証明書はいつ届く?書類ごとの時期
控除証明書は、10月の上旬から11月にかけて、送り元ごとにばらばらに届きます。2026年分のおもな時期は次のとおりです。
| 証明書 | 届く時期の目安 |
|---|---|
| 生命保険料控除証明書 | 10月ごろ。保険会社によって上旬から下旬まで差があります |
| 地震保険料控除証明書 | 10月中旬から下旬ごろ(保険会社によります) |
| 国民年金保険料の控除証明書 | 郵送は10月23日から11月上旬にかけて順次(1月〜9月に払った人) |
| iDeCoの掛金の控除証明書 | 10月下旬ごろから |
| 小規模企業共済の掛金の控除証明書 | 11月(9月までに払い込みがある人) |
出典:日本年金機構「令和8年分社会保険料(国民年金保険料)控除証明書の発行について」、中小機構「小規模企業共済 よくある質問」、国民年金基金連合会「iDeCo加入者掛金に係る令和8年分の小規模企業共済等掛金払込証明書(控除証明書)の発行時期と対象となる方」、各保険会社の案内。
気をつけたいのは、年末調整に間に合わない証明書があることです。その年はじめて国民年金を払ったのが10月から12月の人は、証明書が翌年に届きます(郵送は2月上旬、電子は1月下旬)。小規模企業共済も、10月から12月に払い始めた人は翌年2月です。iDeCoを10月以降に始めた人も、年末調整に間に合わないことがあります。間に合わなかった分は、翌年に本人が確定申告をします。
毎年なくす人が出る3つの原因
証明書をなくすのは、本人がだらしないからではありません。なくしやすい仕組みになっているからです。

原因1:届いてから会社に出すまで、1か月以上あく
証明書が届くのは10月です。一方、会社が申告書を配って集めるのは、11月から12月が多いでしょう。その間、証明書は家のどこかで1か月以上待つことになります。
原因2:ほかの郵便物にまぎれる
証明書の多くは、はがきや普通の封筒で届きます。保険会社のお知らせやダイレクトメールと見た目が似ていて、まとめて捨ててしまうこともあります。
原因3:「何が届くか」を本人が知らない
私の会社でも、これまでは口で「届いたら取っておいて」と伝えるだけでした。ただ、自分がどの保険に入っているか、家族の国民年金を誰が払っているかまで、すぐに言える人ばかりではありません。何が届くかわからないものは、取っておけません。
控除証明書をなくしたときの再発行
なくしたとわかったら、その日のうちに本人から送り元へ再発行を頼んでもらいます。届くまでに日数がかかるので、早く気づくことがいちばんの対策です。
頼み先と届くまでの日数の目安
- 生命保険・地震保険:入っている保険会社のマイページや電話で頼みます。たとえば日本生命は郵送で10日前後、三井住友海上は受付から3〜6営業日で発送と案内しています
- 国民年金:日本年金機構の「ねんきんネット」や電話で頼みます。ねんきんネットなら、受付から発送まで1週間程度です
- iDeCo・小規模企業共済:iDeCoは加入している金融機関(運営管理機関)に頼みます。小規模企業共済は、中小機構の再発行専用フォームか、電話の自動発送サービスで頼みます
本人が届くのを待つ間、年末調整の書類はそろいません。税理士さんに渡す日が近いと、そのまま待つことになります。
間に合わないときは、本人の確定申告で
再発行が年末調整に間に合わなくても、控除がなくなるわけではありません。本人が翌年に確定申告をすれば、控除を受けられます。ただ、慣れない確定申告を社員にお願いすることになるので、できれば年末調整で済ませたいところです。
電子の証明書という方法もある
国民年金などは、控除証明書をはがきではなく電子データで受け取ることもできます。電子データなら、紙をなくす心配はありません。年末調整でも、電子の証明書を会社に出せます。
ただし、会社が電子データの受け取りに対応していないこともあります。その場合は、国税庁の「QRコード付証明書等作成システム」で印刷して出してもらいます。このシステムはパソコンで使うもので、スマホは動作保証の対象外です。社員から「スマホで受け取った」と言われたら、出し方を税理士さんと決めておきましょう。
うちの会社が今年からやっている「届いたらすぐ預かる」方法
なくす前に、会社が先に預かってしまう。それが今年から始めたやり方です。ここからは、私の会社でやっていることを書きます。

「届いたらすぐ持ってきて」と約束する
私の会社の全体ミーティングは、毎月20日から25日ごろにあり、社員全員が出ます。これまでは、10月のミーティングで「届いたら取っておいて」と伝えていました。今年からは、「証明書が届いたら、すぐに持ってきてください」と約束してもらっています。「取っておいて」ではなく「持ってきて」にしたのが、去年までとの違いです。家に置いておく期間がなくなれば、なくす機会もなくなります。
今年は、もう届いた人から預かっています。
これから始める会社は、証明書が届き始める前に伝えるのがおすすめです。早い保険会社は10月上旬に送ってくるので、9月中か10月の頭に伝えられると安心です。
原本はファイルに入れて保管する
預かった証明書は、原本のままファイルに入れて保管しています。申告書を集めるときに、そのファイルから取り出して一緒にすれば、書類がそろいます。社員は申告書を書くだけで済むので、提出もスムーズです。
預かるときに気をつけること
- 受け取った日を記録する:誰の何を、いつ預かったかを一覧に書いておくと、「渡した・もらってない」の行き違いを防げます
- 人の目に触れない場所にしまう:証明書には、保険の契約や家族のことが書かれています。鍵のかかる引き出しなど、ほかの社員が見られない場所に置きましょう
- 家族の分も忘れずに:家族の国民年金を本人が払っている場合、証明書は家族あてに届くことがあります。「家族あての分も持ってきて」と一言添えます
年末調整のあと、申告書は会社で保存します。期間は、提出期限の年の翌年1月11日から7年間です。証明書は申告書に添えて出すものなので、申告書と一緒にしまっておけば迷いません。

無料チェックリストの使い方
この記事のチェックリストは、社員に配る1枚と、経理が手元で使う回収管理表の2枚組です。
- Excel版を開き、会社名と提出の締切を書き込む
- 印刷して、全体ミーティングなどで社員に配る
- 社員は、自分が出す書類に✅を付ける
- 証明書が届いたら、チェックリストと一緒に持ってきてもらう
- 経理は回収管理表に、受け取った日を書き込む
チェックリストには、証明書ごとの「届く時期の目安」も入れました。社員が「まだ届いていない」のか「なくした」のかを、自分で見分けられます。届く時期を過ぎても見当たらなければ、それが再発行を考える合図です。
ただし、はがきが届かないのに、なくしていない人もいます。電子で受け取る設定にしている人や、その年に契約した地震保険(証明書が保険証券に付いてくる)などです。再発行を頼む前に、まず本人に確かめてもらいましょう。
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まとめ:今日やるのは「届いたらすぐ持ってきて」と伝えること
控除証明書をなくす人が毎年出るなら、本人に注意するより、家に置いておく期間をなくすほうが早く解決します。
- 証明書が届き始める前に、「届いたらすぐ持ってきて」と社員に伝える
- チェックリストを配って、自分が出す証明書に✅を付けてもらう
- 預かった原本はファイルにまとめ、受け取った日を記録する
- 届く時期を過ぎても見当たらない人には、早めに再発行を頼んでもらう
証明書はもう届き始めています。次に社員と顔を合わせるときに、「届いたら持ってきてね」と一言かけるところから始めてみてください。

※この記事は2026年10月時点の国税庁・日本年金機構・各保険会社の案内をもとにしています。国税庁「年末調整がよくわかるページ(令和8年分)」と、日本年金機構「令和8年分社会保険料(国民年金保険料)控除証明書の発行について」で最新の案内を確認してください。


