【建設業経理士1級】資本金・資本剰余金・利益剰余金|純資産3階層のしくみ

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おけい
おけい
純資産のセクションは、私も何度も混乱しました。資本金・資本剰余金・利益剰余金…名前が似ていて、しかも中にさらに「準備金」と「その他」があって、どこに何を入れるのかすぐこんがらがるんです。同じところでモヤモヤしている方に向けて、3階層のしくみを整理します。

🔍 先に結論

  • 純資産は「資産-負債」の残り。返さなくていいお金で、株主の持ち分です
  • 純資産は「資本金」「資本剰余金」「利益剰余金」の3階層で整理します
  • 資本剰余金と利益剰余金には、それぞれ「準備金」と「その他」の枝分かれがあります
  • 試験では「どこに入るか」の分類と、繰越利益剰余金の動きがよく問われます

📚 私が使っているテキスト

この記事は、ネットスクール『建設業経理士1級 出題パターンと解き方 財務諸表』の内容をベースに整理しています。私も同じテキストで独学中で、純資産の章はCH.3の後半に掲載されています。

🎥 動画講義でも学べます(簿記の教室メイプル)

わたしが独学で活用している「簿記の教室メイプル」の該当講義です。建設業経理士1級 財務諸表 第61回 純資産・資本金で純資産の部の基本が学べます。この記事と合わせて視聴すると理解が深まります。

純資産って何?資本と負債の残り

純資産は残り

純資産とは、貸借対照表で「資産-負債」の差額として残る部分のことです。銀行から借りたお金(負債)は返す必要がありますが、純資産は返さなくていいお金です。

ざっくり言うと「株主の持ち分」

純資産は、大きく言えば「株主が出したお金」と「会社が稼いで残したお金」の合計です。前者が資本金と資本剰余金、後者が利益剰余金にあたります。

ここが最初のつまずきポイントで、「資本」と名前がついているのに、中身は出資額そのものだったり、剰余金だったり、少しずつ意味が違います。まずは「純資産=返さなくていいお金の合計」というざっくりした理解でOKです。

資本金|株主の出資金の中核

資本金の半分ルール

資本金は、株主から出資してもらったお金のうち、会社が「これを資本金にします」と決めた金額です。会社法上、原則は「払込金額の全額」ですが、半分までなら資本金にしないでよいルールがあります。

払込額の半分までは資本金にしなくてもいい

たとえば1株1,000円で100株発行すれば、払込額は10万円です。全額を資本金にすれば「資本金10万円」ですが、半分の5万円だけを資本金にすることもできます。残りの5万円は、資本剰余金のほう(資本準備金)に入ります。

なぜ半分ルールがあるかというと、資本金が大きくなると税金や登記の手数料が増えるからです。会社の実務では「半分を資本準備金に振る」パターンがよく使われます。

けいりん
けいりん
「払込額の半分まで資本金にしなくてOK」というルールは、試験でも実務でもよく出るリス!全額入れるか、半分入れるか、で仕訳が変わるから、問題文の指示を先にチェックするといいリス。

資本剰余金|出資額のうち資本金にしなかった部分

資本剰余金の枝

資本剰余金は、株主から集めたお金のうち「資本金に入れなかった部分」と、増資や合併などの資本取引で生じた余りをまとめる箱です。中身は「資本準備金」と「その他資本剰余金」の2つに枝分かれします。

資本準備金は「会社法で積み立てが決まっている部分」

資本準備金は、株式を発行したときに資本金にしなかった残りを入れる箱です。会社法で「積み立ててね」と決まっている部分で、勝手に取り崩せません。

その他資本剰余金は「自己株式の処分差額」などが入る

その他資本剰余金には、自己株式を処分したときに出た差益や、資本金や資本準備金を取り崩したときの余りが入ります。資本準備金にくらべると、動きが自由な箱というイメージです。

試験でよく出るのは、「新株発行時に払込額の半分を資本準備金にする」パターンと、「自己株式処分差額をその他資本剰余金に振り替える」パターンの2つです。名前が長いので、まずは「資本剰余金=出資由来の余り」とざっくり覚えておくと迷いにくくなります。

利益剰余金|稼いだ利益の蓄積

利益剰余金の流れ

利益剰余金は、会社が稼いだ利益のうち、社外に配当せず内部に残した部分をまとめる箱です。中身は「利益準備金」「その他利益剰余金」の2つに枝分かれし、その他利益剰余金の中にさらに「任意積立金」と「繰越利益剰余金」が入ります。

利益準備金は「配当のたびに強制で積む部分」

利益準備金は、株主に配当を出すたびに「配当額の10分の1」を積み立てるルールになっています。会社の財産が減りすぎないようにするための、法定積立金です。ただし、資本準備金と合わせて資本金の4分の1まで積めば、それ以上は積まなくてOKです。

その他利益剰余金|任意積立金と繰越利益剰余金

その他利益剰余金には、まず「任意積立金」があります。これは会社が自主的に積んでいるもので、新築積立金や別途積立金などの名前で貸借対照表に載ります。

そして最後が「繰越利益剰余金」です。ここは決算で出た当期純利益が流れ込む場所で、配当の原資になる箱でもあります。株主総会で「配当します」と決めると、繰越利益剰余金から利益準備金や現金に振り替える処理が発生します。

せきさんくん
せきさんくん
利益剰余金の3階層は「利益準備金 / 任意積立金 / 繰越利益剰余金」だホー。当期純利益は必ず繰越利益剰余金に入って、そこから配当や積立金へ配られていくホー。流れをイメージするといいホー。

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3階層の関係を図解で整理

純資産の3階層

ここまでの話を、純資産の3階層としてもう一度整理します。上から順に、資本金/資本剰余金/利益剰余金の3段構造です。

3階層の中身を一覧で

1段目の「資本金」は、株主の出資額のうち会社が資本金と決めた金額です。2段目の「資本剰余金」は、出資由来の残りで、資本準備金とその他資本剰余金に分かれます。3段目の「利益剰余金」は稼いだ利益で、利益準備金・任意積立金・繰越利益剰余金の3つに分かれます。

覚え方のコツは、まず「出資由来か、利益由来か」で2つに分けることです。出資由来なら資本金と資本剰余金、利益由来なら利益剰余金です。その次に、「準備金(会社法で決まっている)」と「その他(会社が自由に動かせる)」で分けると、頭の整理がぐっとラクになります。

資本剰余金と利益剰余金は混ぜてはいけない

1つ大切なルールがあります。資本剰余金と利益剰余金は、原則として混ぜて処理してはいけません。出資由来と利益由来で性格がまったく違うので、たとえば「利益準備金を取り崩して資本準備金に振り替える」といった処理はできません。

試験でも、この「混ぜてはダメ」ルールに引っかけた選択肢がよく出ます。振替の問題を見たら、まず「出資由来同士か、利益由来同士か」をチェックするクセをつけると、ケアレスミスが減ります。

じむねこ
じむねこ
出資由来と利益由来は混ぜないニャ。似た名前でも「資本」と「利益」で性格が違うから、振替の問題は必ず由来のグループを揃えて答えるといいニャ。

試験でよく問われるポイント3つ(まとめ)

最後に、私が独学中に「ここは押さえたい」と感じた試験対策のポイントを3つに絞ります。

1つ目は、「どの項目がどの箱に入るか」の分類問題です。株式発行の払込額、自己株式処分差額、当期純利益などが、それぞれどの階層のどの科目に入るかを言えるようにしておくと、仕訳問題でも迷いません。

2つ目は、配当時の「利益準備金の積立額」の計算です。「配当額の10分の1」と「資本金の4分の1-(資本準備金+利益準備金)」の小さいほう、というルールを、実際の数字で1回解いてみると身につきます。

3つ目は、繰越利益剰余金の増減です。当期純利益で増え、配当や積立金への振替で減ります。株主資本等変動計算書の問題でも、この繰越利益剰余金の動きが中心になります。

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まとめ|純資産は「由来」と「準備金かどうか」で整理する

純資産は、出資由来(資本金・資本剰余金)と利益由来(利益剰余金)に分かれ、それぞれの中に「準備金」と「その他」があります。この2軸で頭を整理すると、細かい科目名にふりまわされなくなります。

私も最初は「準備金」の名前だけで何度も止まりましたが、由来で分けて考えると急にわかりました。次の学習にお役に立てばうれしいです。

おけい
おけい
純資産の3階層は、名前が似ていて最初はしんどいですが、「由来」と「準備金かどうか」の2軸で整理すれば必ずスッキリします。私も同じテキストで進めています。一緒にがんばりましょう。