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正直、テキストを開いた瞬間に「勤務費用?利息費用?期待運用収益?…なにこれ全部同じに見える」と固まりました。私自身も最初はページを閉じたくなったのですが、計算式をひとつずつ分解したら、意外とシンプルな仕組みだと分かって拍子抜け。
この記事では、私が独学中に「これが分かれば怖くない」と感じたポイントを、同じく独学で挑む方向けにまとめました。退職給付費用の計算式さえ体に入れば、この単元は半分クリアです。
🔍 先に結論
- 退職給付費用 = 勤務費用+利息費用-期待運用収益(±数理差異等)
- 利息費用は「期首債務×割引率」、期待運用収益は「期首年金資産×長期期待運用収益率」
- BSでは退職給付債務-年金資産=退職給付引当金として表示
📚 私が使っているテキスト
この記事は、ネットスクール『建設業経理士1級 財務諸表 出題パターンと解き方(パタ解き)』の内容をベースに整理しています。私自身も独学でこの1冊を回しながら、2026年9月13日の試験に向けて準備中です。
🎥 動画講義でも学べます(簿記の教室メイプル)
わたしが独学で活用している「簿記の教室メイプル」の該当講義です。建設業経理士1級 財務諸表 第47回 退職給付と退職給付債務で退職給付会計の基本が学べます。この記事と合わせて視聴すると理解が深まります。
退職給付会計とは? 基本の考え方
退職給付会計をひとことで言うと、「将来支払う退職金を、今のうちから少しずつ費用にしていく仕組み」です。
従業員が退職するときに会社が払うお金(退職金や企業年金)は、本来は退職した年にドンと発生します。でもよく考えると、その退職金は「今年働いてくれた分」も原資に含まれているはず。なのに退職の年だけに費用を計上すると、毎年の損益がゆがんでしまいます。
そこで退職給付会計では、従業員が働いた年ごとに、その年に発生した退職金相当分を費用(退職給付費用)として計上します。同時に、まだ払っていない分は「退職給付引当金」という負債として貸借対照表に積んでいく、というのが基本の骨格です。


退職給付費用の計算式を分解する
この単元の主役はこの式です。ここを暗記できたら8割終わったも同然と言い切っていいと思います。
退職給付費用
= 勤務費用 + 利息費用 - 期待運用収益 ± 数理計算上の差異等の費用処理額
ポイントは3つ。
- 基本は「足す・足す・引く」の3項目。
- 期待運用収益はマイナス(引く)で登場する。ここが引っかけポイント。
- 数理計算上の差異は±(プラスにもマイナスにもなる)。
私は最初、期待運用収益まで「足す」と勘違いして計算問題を2問連続で落としました。「期待運用収益はマイナス」だけは声に出して覚えるのがおすすめです。
【最重要】各項目の意味を1つずつ理解する
ここが記事の核です。意味さえ分かれば式は覚えなくても組み立てられるようになります。
勤務費用
当期に従業員が働いてくれたことで、新たに増えた退職給付債務の当期発生分のことです。「今年1年働いた分の退職金の権利」というイメージで捉えると自然に入ります。
利息費用
期首の退職給付債務 × 割引率、で計算します。「時間の経過による退職給付債務の増加」を表しています。
退職給付債務はもともと、将来払う退職金を割引計算で今の金額に直したもの。時が経てば1年分だけ「割引が戻る」ので、その戻り分=利息費用として費用計上します。
期待運用収益
期首の年金資産 × 長期期待運用収益率、で計算します。年金資産の運用で「これくらいは儲かるはず」と見込む額のこと。
年金資産が増えれば、その分だけ会社が将来払う負担は減ります。だから退職給付費用からはマイナスで引くわけです。ここが理解できると、なぜ引くのかが腹落ちします。

数理計算上の差異
期待していた運用収益と実際の結果とのズレ、割引率など前提の見直しによる差など、「見積りと実績のズレ」のことです。原則として発生年度から一定年数(従業員の平均残存勤務期間以内)で按分して費用処理します。
退職給付債務と年金資産の関係(BSでの表示)
ここも試験でよく問われます。「BSに載るのは債務そのものではなく、差額の引当金」という点を絶対に外さないでください。
覚え方はシンプルです。
退職給付債務 - 年金資産 = 退職給付引当金(負債)
※年金資産が退職給付債務を上回るときは、代わりに「前払年金費用(資産)」として表示。
退職給付債務とは「将来払う退職金の見込み額のうち、当期までに発生した分を割引計算した金額」。年金資産は「退職金を払うために外部積立している運用資産」。この2つの差額だけがBSに載ると覚えてください。
私自身も最初「退職給付債務がそのまま負債に載る」と勘違いしていて、模擬問題で見事に落としました。相殺する点は必ず押さえておきましょう。
試験に出る計算例で仕上げる
ここまでの知識を、具体的な数字で組み立ててみます。この形の問題が本試験で必ずと言っていいほど出ます。
【例題】次の資料から当期の退職給付費用を計算しなさい。
- 勤務費用:500万円
- 期首退職給付債務:1億円(割引率3%)
- 期首年金資産:6,000万円(長期期待運用収益率2.5%)
- 数理計算上の差異:なし
順番に埋めます。
- 利息費用 = 1億円 × 3% = 300万円
- 期待運用収益 = 6,000万円 × 2.5% = 150万円
- 退職給付費用 = 500 + 300 - 150 = 650万円
コツは、与えられた資料に対して「勤務/利息/期待運用」の3枠を先に書き、そこに数字を放り込むこと。私はこれをやり始めてから、電卓を叩く前に答えの構造が見えるようになりました。

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まとめ:試験対策の3つのポイント
最後に、退職給付会計で得点するために私が意識している3つを置いておきます。この3つだけ守れば、この単元は怖くありません。
- 計算式を暗唱できる状態にする:退職給付費用=勤務費用+利息費用-期待運用収益(±数理差異)。とくに「期待運用収益は引く」を体に入れる。
- 各項目の「意味」を1行で説明できる:勤務費用=当期の働き分/利息費用=期首債務×割引率/期待運用収益=期首年金資産×長期期待運用収益率。
- BSは「差額表示」:退職給付債務-年金資産=退職給付引当金。引当金として1本で載る。
私は働きながら半年(毎日2時間)で1級建築施工管理技士 一次に1発合格した経験があるのですが、そのときも「難しい論点ほど、公式を分解して意味を理解する」やり方が効きました。退職給付会計も同じで、意味が入れば公式は勝手に定着します。
ここから過去問に入る方は、まず「勤務・利息・期待運用」の3枠を書き出す練習から始めてみてください。私自身、これで1問あたりの解答時間が半分になりました。
以上、建設業7年目のおけいでした!同じく2026年9月13日の試験を目指す方、一緒に走り切りましょう。


