【建設業経理】棚卸・材料在庫管理の方法|月末棚卸の手順と差異処理を完全解説

原価管理・積算
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「現場に残った材料の棚卸をしたことがない…材料在庫の管理って何のためにやるの?やらないとどうなる?」

おけい
おけい
うちも以前は購入時に費用計上するだけで、月末棚卸をきちんとやれていない時期がありました。1級の勉強で改めて重要性を再認識したので、私が実務で使えるようになった手順をまとめます。
けいりん
けいりん
棚卸をしないと決算の費用計上がズレちゃうよ!材料在庫は「使った時に費用にする」のが原則で、月末の棚卸がとても大事なんだ^^

今回の記事でわかること

  • 材料棚卸が必要な理由と棚卸をしないリスク
  • 材料在庫の購入・使用・残材の仕訳方法
  • 仮設材料(足場・型枠)の在庫管理の考え方
  • 棚卸の実施方法と棚卸差額の処理
  • 材料在庫管理を効率化するアクション
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🔍 先に結論

  • 材料は「使った時に費用にする」が原則——棚卸をしないと決算の費用計上がズレる
  • 購入・使用・残材の仕訳と、足場・型枠など仮設材料の管理方法を解説
  • 実地棚卸の手順と棚卸差額の処理まで完全ガイド

なぜ材料棚卸が必要なのか

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建設業では「材料を購入した時点」ではなく「実際に工事で使用した時点」で材料費として計上するのが会計の原則です。これを発生主義または実現主義に基づく費用認識といいます。購入したまま倉庫や現場に残っている材料は、まだ工事に使っていないため「費用ではなく資産(材料貯蔵品)」として扱う必要があります。

月末・期末に棚卸を実施して残材の数量・金額を把握し、未使用分を「材料貯蔵品」として資産計上することが必要です。これを怠ると、購入した材料の全額が費用として計上されてしまい、当期の費用が過大になるという問題が生じます。逆に残材を過小評価すると費用が膨らみ、工事の採算が悪く見えてしまいます。

私が担当した会社では、かつて棚卸を実施していない時期があり、期末の材料在庫が300万円以上あったにもかかわらず、すべて費用計上していました。その結果、当期の利益が実態より大幅に少なく見え、税理士からの指摘で棚卸を実施するよう改善した経験があります。棚卸の有無は決算書の信頼性に直結します。

「たかが材料の残り」と軽く見られがちですが、複数の現場・複数の資材が積み重なると、想像以上に大きな金額になっていることが少なくありません。一度、棚卸をせずに終えた決算があれば、その影響額を試算してみることをおすすめします。

特に金融機関からの融資審査では、決算書の数字がそのまま評価対象になります。棚卸を怠って利益が実態より低く見えていると、本来受けられるはずの融資条件で不利になることもあります。

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材料在庫の購入・使用・残材の仕訳

材料在庫の正しい仕訳の流れを確認しましょう。まず材料購入時は「材料貯蔵品 ○○円 / 買掛金(または現金)○○円」と資産計上します。購入時点では費用にせず、棚卸資産として計上するのがポイントです。

次に工事での使用時です。現場で材料を使った時点で「未成工事支出金(材料費)○○円 / 材料貯蔵品 ○○円」と振り替えます。この振り替えが「使用した時点で費用化する」という原則の実践です。工事の進捗に合わせて都度振り替えが理想ですが、実務では月次でまとめて処理するケースが多いです。

工事完成・引き渡し時は「完成工事原価(材料費)○○円 / 未成工事支出金 ○○円」と振り替えます。完成した工事の費用が損益計算書に計上されます。

月末・期末に在庫が残っている場合は、実地棚卸を行い「材料貯蔵品 ○○円 / 材料費(または未成工事支出金)○○円」と残材を資産に戻します。この処理で、実際に使用した分だけが当期の費用として計上されます。

けいりん
けいりん
「購入→資産計上→使用時に費用化→残材は資産に戻す」この4ステップが材料管理の基本だよ!月末に必ず確認してね^^
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仮設材料(足場・型枠)の在庫管理

建設業特有の仮設材料(足場・型枠・支保工など)は、工事完了後に撤去・回収して再使用するため、一般の材料とは異なる管理が必要です。購入時に「仮設材料(棚卸資産)」として資産計上し、現場に搬出・使用開始時に「未成工事支出金(仮設費)」へ振り替えます。

工事完了後に残材(再使用可能な仮設材)を回収した場合、その評価額を「仮設材料(棚卸資産)」に戻します。仮設材料は使用回数を重ねるほど価値が下がるため、残材価値の評価には注意が必要です。物理的な損耗状態を確認し、適正な評価額を設定することが重要です。

目安として、使用回数ごとに評価額を段階的に下げる社内ルールを決めておくと、担当者によって評価がバラつくのを防げます。たとえば「3回使用で評価額の20%減」のように、シンプルな基準を設けている会社もあります。

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実地棚卸の実施方法と棚卸差額の処理

月次または期末の棚卸は、倉庫・各現場の残材を実際に数えて帳簿残高と照合します。棚卸時の注意点として、複数の現場に分散している材料を漏れなくカウントすること、劣化・破損した材料は正味価値(処分見込み額)で評価することが挙げられます。

実地棚卸の結果、帳簿残高と実際の残高に差異(棚卸差額)が生じた場合は、その差額を「棚卸減耗損 ○○円 / 材料貯蔵品 ○○円」として費用計上します。差異の原因(記録漏れ・盗難・廃棄等)を調査し、必要に応じて記録の改善を図ることが重要です。私の会社では、現場担当者が材料を使用するたびにスマートフォンアプリで記録する運用に変えてから、棚卸差額が大幅に減少しました。

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材料在庫管理を効率化するアクション

材料在庫管理の効率化には、まず材料受払台帳の作成が有効です。Excelや専用ソフトで、材料の種類ごとに「購入数量・使用数量・残数量」を記録します。工事番号を紐づけることで、工事別の材料使用量も管理できます。

次に棚卸の定期化です。月次で実施するのが理想ですが、少なくとも期末(決算前)には必ず実施しましょう。棚卸の担当者と手順をマニュアル化しておくと、担当者が変わっても一貫した方法で実施できます。

さらに会計ソフトの在庫管理機能の活用も効果的です。材料の購入・使用・残高を会計ソフト上で管理することで、仕訳への自動反映や棚卸時の数量差異チェックが効率化できます。

材料棚卸・在庫管理のポイント まとめ

  • 材料は「購入時→資産計上」「使用時→費用化」「残材→資産に戻す」で処理
  • 仮設材料は回収後に残材価値を評価して棚卸資産に戻す
  • 月次棚卸を実施し、帳簿残高と実際数量の差異を毎月確認
  • 棚卸差額は棚卸減耗損として費用計上し、原因を調査する
  • 材料受払台帳と会計ソフトを連携して在庫管理を効率化

材料棚卸・在庫管理を適切に行うことで、工事別の原価把握精度が向上し、決算書の信頼性も高まります。材料管理の効率化には、建設業対応の会計ソフトがおすすめです。

棚卸は面倒に感じられがちですが、放置すればするほど数量のズレが大きくなり、後から辻褄を合わせるのがさらに大変になります。小さな現場から、月次の棚卸を習慣にしていきましょう。

以上、建設業の材料棚卸・在庫管理完全ガイドでした!