【建設業経理士1級】棚卸資産の評価方法4つを実例で解説

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おけい
おけい
こんにちは、建設業7年目のおけいです。経理と積算を兼任しています。

2026年9月13日の建設業経理士1級(財務諸表)に向けて絶賛独学中。今日はCHAPTER 3前半の「棚卸資産の評価方法」を、材料貯蔵品を例に整理していきます。

個別法・先入先出法・総平均法・移動平均法……名前だけ見ると難しそうですが、実は倉庫にある材料の「どれから使ったことにするか」というだけの話。私自身、1級建築施工管理技士も半年独学で一発合格した経験があるので、独学者目線で噛み砕いて説明しますね。

🔍 先に結論

  • 棚卸資産の評価方法は個別法・先入先出法・総平均法・移動平均法の4つ
  • 建設業の棚卸資産は未成工事支出金+材料貯蔵品
  • 期末は低価法(取得原価 vs 正味売却価額の低い方)が強制適用

📚 私が使っているテキスト

この記事は、ネットスクール『建設業経理士1級 財務諸表 出題パターンと解き方(パタ解き)』の内容をベースに整理しています。私自身も独学でこの1冊を回しながら、2026年9月13日の試験に向けて準備中です。

🎥 動画講義でも学べます(簿記の教室メイプル)

わたしが独学で活用している「簿記の教室メイプル」の該当講義です。建設業経理士1級 財務諸表 第23回 棚卸資産で棚卸資産の評価方法が学べます。この記事と合わせて視聴すると理解が深まります。

棚卸資産とは? 建設業では「未成工事支出金+材料貯蔵品」

まずは基本のおさらいから。棚卸資産とは、販売または消費を目的として保有する資産のことです。一般の製造業でいう「商品」「製品」「原材料」ですね。

建設業では、この棚卸資産がちょっと特殊な形で出てきます。代表的なのは次の3つです。

  • 未成工事支出金:まだ完成していない工事に投入された現場原価(材料費・労務費・外注費・経費)を工事別に集計したもの
  • 材料貯蔵品:倉庫にある未使用の材料(ボード・ビス・軽鉄材など)
  • 事務用消耗品:まだ使っていない事務用品
おけい
おけい
未成工事支出金って、要は「まだ完成引き渡ししてない現場に突っ込んだお金」だよね。完成したら完成工事原価に振り替えられる、経理泣かせのアイツ!

ちなみに未成工事支出金は、工事別に実際原価を集計する「個別原価計算」で処理されます。つまり後で説明する4種類の評価方法とは別世界。今回の話で主に対象になるのは材料貯蔵品と考えてください。

【個別法】シンプルだが実務での適用は限定的

個別法とは、個々の棚卸資産の実際原価をそのまま評価額とする方法です。「この石は10万円で仕入れた」「この絵は50万円で仕入れた」と1個ずつ管理するイメージ。

宝石・美術品・不動産のように、1つ1つの個別性が非常に高い(代替不可能な)棚卸資産に適用されます。

建設業では、正直この方法はあまり使いません。倉庫のビスを1本1本「これは3円で仕入れた」と管理するのは非現実的ですよね。

【先入先出法(FIFO)】と【総平均法】を計算例で比較

ここが試験でも実務でも一番重要なパート。次の例で、先入先出法と総平均法を計算してみましょう。

取引数量単価金額
期首在庫100個@100円10,000円
期中仕入①200個@120円24,000円
期中仕入②100個@130円13,000円
合計(受入)400個47,000円
期末在庫150個??

先入先出法(FIFO)で計算

先入先出法は「先に入れた棚卸資産から先に払い出したと仮定」する方法です。期末に残っている150個は、逆に「一番最近仕入れた分」から残っていると考えます。

  • 期末在庫150個の内訳:最新の仕入②100個@130円 + 仕入①のうち50個@120円
  • 期末評価額:100個 × 130円 + 50個 × 120円 = 13,000円 + 6,000円 = 19,000円

総平均法で計算

総平均法は「期首棚卸高+期中受入高の総額 ÷ 総数量」で単価を出す方法です。期末にまとめて1回だけ平均単価を計算します。

  • 平均単価:47,000円 ÷ 400個 = @117.5円
  • 期末評価額:150個 × 117.5円 = 17,625円

同じ取引データでも、先入先出法だと19,000円、総平均法だと17,625円と、評価額が変わることがわかりますね。物価が上がっている局面では、先入先出法の方が期末在庫の評価額が高くなり、結果として売上原価(工事原価)は低く出ます。

おけい
おけい
私自身、最初に総平均法の問題を解いた時「え、期末に一気に単価出すってこと?」と混乱しました。試験では「総平均法=1回だけ」「移動平均法=受入のたび」というリズムで覚えると忘れにくいです。

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【移動平均法】受入のたびに単価を再計算

移動平均法は、材料を受け入れるたびに、その時点の在庫と合わせて平均単価を計算し直す方法です。総平均法が「期末に1回」だったのに対し、移動平均法は「受入のたびに毎回」。

  • 期首:100個@100円 → 平均単価100円
  • 仕入①後:(100個×100円 + 200個×120円) ÷ 300個 ≒ 113.3円 → 平均単価が更新
  • 仕入②後:さらに130円の100個を足して再計算 → 平均単価が更新

建設業の実務では、倉庫の材料貯蔵品には移動平均法や先入先出法がよく使われます。

じむねこ
じむねこ
試験問題で「移動平均法」と書いてあったら、受払記録の表を作って、受入行の直後に平均単価を書き込む欄を用意するとミスが減るニャ。

低価法の強制適用(試験頻出)

ここまで見てきた4つはすべて「原価法」、つまり取得したときの原価をベースに評価する方法です。ただし、期末にはもう一段階チェックが入ります。それが低価法

低価法とは、取得原価と正味売却価額を比較し、いずれか低い方で評価する方法です。2008年の会計基準改正以降、強制適用になっています。

  • 正味売却価額=売価 − 見積販売直接経費
  • 取得原価 > 正味売却価額 → 正味売却価額まで評価を切り下げる(評価損を計上)
  • 取得原価 < 正味売却価額 → そのまま取得原価で評価

建設業でいえば、倉庫に眠っている旧規格のボードなど、市場価格が下がってしまった材料貯蔵品が対象です。

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まとめ:試験対策のポイント3つ

  • 原価法は4種類(個別法・先入先出法・総平均法・移動平均法)。総平均法は「期末に1回」、移動平均法は「受入のたび」がキーワード
  • 先入先出法と総平均法の計算例は必ず自分の手で解く。物価上昇局面では先入先出法の方が期末在庫が高く、売上原価が低く出る
  • 低価法は強制適用。取得原価と正味売却価額の低い方で評価

以上、建設業7年目のおけいでした!