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「社会保険と労働保険、何が違うの?建設業では手続きが特殊って聞いたけど…」


今回の記事でわかること
- 社会保険と労働保険の基本的な違い
- 建設業特有の労働保険の仕組み(一括有期・現場労災)
- 年間手続きの流れと重要な期限
- 保険料の計算と仕訳の基本

🔍 先に結論
- まず社会保険と労働保険の違いの整理から
- 建設業の労働保険には一括有期・現場労災という特殊な仕組みあり
- 年間手続きの流れと重要期限を解説
- 保険料の仕訳方法もカバー
社会保険と労働保険の違いを整理する
まず基本から確認しましょう。社会保険と労働保険は別の制度で、手続き先も異なります。
社会保険(健康保険・厚生年金)は、正社員や一定時間以上働くパート・アルバイトが加入する保険です。手続き先は日本年金機構(年金事務所)で、保険料は会社と従業員が折半して負担します。月々の給与から従業員負担分を天引きし、会社負担分と合わせて翌月末までに納付します。
労働保険は、労災保険と雇用保険を合わせた総称です。労災保険は業務中や通勤中のケガ・病気を補償するもので、保険料は全額会社負担です。雇用保険は失業給付などを補償するもので、会社と従業員が一定の比率で負担します。手続き先はハローワーク(雇用保険)と労働基準監督署(労災保険)です。
制度が別々な上に手続き先も違うため、初めて担当する方は混乱しやすい分野です。まずは「誰のための保険で、誰が窓口なのか」をセットで覚えると整理しやすくなります。


建設業の労働保険が特殊な理由
一括有期事業と単独有期事業
建設業の労災保険は、一般の事業所と異なる「有期事業」という仕組みで運営されます。工事は開始・終了があるため、工事ごとに保険関係が成立します。ただし、すべての工事を個別に申請するのは煩雑なため、小規模な工事はまとめて申告できる「一括有期事業」という制度があります。
一括有期事業の対象になるのは、請負金額が1億8,000万円未満(消費税抜き)かつ概算保険料が160万円未満の工事です。これに該当しない大規模な工事は「単独有期事業」として個別に申告します。私が初めて建設業の経理を担当した際、この区分が分からずに処理を誤ってしまったことがあります。請負金額の基準を必ず確認することが重要です。
現場労災と事務所労災の違い
建設業では「現場の労災保険」と「事務所の労災保険」が分かれています。現場で働く作業員は現場労災が適用され、事務所で働く事務スタッフは事務所労災が適用されます。これを混同すると、万が一の事故の際に保険が正しく機能しない可能性があります。
また、元請け工事の場合、現場で働く下請け業者の作業員も原則として元請けの労災保険が適用されます(元請け責任の原則)。下請けに任せているから大丈夫、とはならないのが建設業の特徴です。
この元請け責任の原則を知らずにいると、いざ事故が起きたときに対応が後手に回ってしまいます。下請け業者との契約時に、労災保険の適用関係を書面で確認しておくとトラブルを防げます。

年間手続きの流れと重要期限
労働保険の年度更新(毎年6月〜7月)
労働保険の年度更新は毎年6月1日〜7月10日に行います。前年度の確定賃金をもとに確定保険料を計算し、概算保険料との差額を精算します。同時に、新年度の概算保険料も申告・納付します。
建設業の一括有期事業では、前年度に完成したすべての工事の請負金額と賃金を集計する必要があります。工事台帳を整備していれば作業は比較的スムーズですが、台帳がないと都度伝票を探し直す羽目になります。私の会社では工事台帳のExcel管理を徹底してから、年度更新の作業時間が大幅に短縮されました。
社会保険の算定基礎届(毎年7月)
毎年7月10日までに、4〜6月の給与をもとに標準報酬月額を算定して提出します。算定された報酬月額は10月分の保険料(通常11月支払い分)から適用されます。給与ソフトを使っている場合は自動計算できますが、4〜6月に残業や手当が多かった月がある場合は、計算結果を必ず確認してください。
月次の給与天引きと納付
毎月の給与から社会保険料(健康保険・厚生年金)と雇用保険料を天引きし、翌月末(社会保険)または翌月10日(雇用保険)までに納付します。納付は電子納付が便利で、ペイジー対応の金融機関では自動引き落としも設定できます。
自動引き落としの設定は最初こそ手間がかかりますが、一度設定してしまえば納付忘れのリスクがなくなります。特に兼任で忙しい経理担当者にとっては、うっかりミスを防ぐ有効な仕組みです。

保険料の仕訳方法
社会保険料の仕訳
社会保険料は会社負担分と従業員負担分で仕訳が異なります。給与支払い時に従業員負担分を「社会保険料預り金」として預かり、納付時に会社負担分(法定福利費)と合わせて支払います。
| 場面 | 借方 | 貸方 |
|---|---|---|
| 給与支払い時(従業員負担分預かり) | 給与 300,000 | 社会保険料預り金 27,000 / 普通預金 273,000 |
| 納付時(会社負担分+従業員負担分) | 法定福利費 27,000 / 社会保険料預り金 27,000 | 普通預金 54,000 |
労働保険料の仕訳
労働保険料の概算払い分は「前払費用」として計上し、年度更新時に確定精算します。労災保険料は全額会社負担のため「法定福利費」で処理します。雇用保険料の従業員負担分は給与から天引きし「預り金」で処理します。


まとめ:建設業の保険手続きは全体像から押さえる
建設業の社会保険・労働保険 ポイントまとめ
- 社会保険(健康保険・厚生年金)は年金事務所、労働保険はハロワ・労基署
- 建設業の労災保険は「有期事業」として工事ごとに保険関係が成立
- 一括有期事業:請負金額1億8,000万円未満の工事はまとめて申告
- 元請けは下請け作業員の現場労災も負う(元請け責任の原則)
- 年度更新は毎年6/1〜7/10、算定基礎届は7月10日締め
- 工事台帳を整備しておくと年度更新の作業が格段に楽になる
建設業の保険手続きは複雑ですが、全体像を把握すれば一つひとつの手続きはシンプルです。会計ソフトと給与ソフトを連携させると、保険料計算と仕訳の自動化が進み作業負担が大幅に減ります。
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マネーフォワード クラウド会計を試してみる以上、建設業の社会保険・労働保険ガイドでした!


