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今回は財務諸表CHAPTER3の中でも「これ絶対出るやつ」の代表格、減損会計を扱います。3ステップの順番と、「認識は割引前」「測定は回収可能価額」のところが混ざってしまう方、多いんじゃないでしょうか。
私も最初にテキストを読んだとき、「割引前CFで判定して、回収可能価額まで減額する」の意味が全然入ってきませんでした。この記事では、機械1台の具体例を使って、論述でも計算でも使える形で整理していきます。
🔍 先に結論
- 減損会計は兆候→認識→測定の3ステップで進める
- 認識判定は割引前将来CF、測定は回収可能価額まで減額
- 回収可能価額=使用価値と正味売却価額の高い方。戻し入れは禁止
📚 私が使っているテキスト
この記事は、ネットスクール『建設業経理士1級 財務諸表 出題パターンと解き方(パタ解き)』の内容をベースに整理しています。私自身も独学でこの1冊を回しながら、2026年9月13日の試験に向けて準備中です。
🎥 動画講義でも学べます(簿記の教室メイプル)
わたしが独学で活用している「簿記の教室メイプル」の該当講義です。建設業経理士1級 財務諸表 第32回 減損会計その他の論点で減損会計の基本が学べます。この記事と合わせて視聴すると理解が深まります。
減損会計とは? なぜ「取得原価主義」の例外なのか
減損会計とは、固定資産の収益性が下がって投資額の回収が見込めなくなったときに、帳簿価額を回収可能な金額まで下げる会計処理のことです。
そもそも固定資産は「取得原価主義」で計上するのが原則です。買ったときの値段でずっと記録して、減価償却で少しずつ費用にしていく。これが基本ルールです。
ただ、実際に工事現場で使う機械や建物を思い浮かべると、想定通りに稼いでくれない場面はいくらでもあります。予定していた工事が消えた、機械の性能が競合に負けた、地価が急落した——こうしたときに、帳簿価額のまま資産計上を続けると、貸借対照表に「本当は回収できない金額」が残ってしまいます。
この「回収できない部分」を早めに損失として処理するのが減損会計、というイメージで押さえてOKです。

【STEP1】減損の兆候はどこで判定するか
減損会計は、すべての固定資産に毎期毎期フル計算をかけるわけではありません。まず「兆候があるかどうか」だけをふるいにかけて、兆候があるものだけ次のステップに進めるという設計になっています。
| 兆候の種類 | 具体例 |
|---|---|
| 営業活動からの損益 | その資産(グループ)の営業損益が継続してマイナス |
| 使用範囲・方法の変更 | 遊休化、廃止予定、当初想定より稼働が大きく落ちた |
| 経営環境の悪化 | 市場の縮小、法規制の変更、技術革新で陳腐化 |
| 市場価格の下落 | 時価が帳簿価額から50%程度以上下がった |
【STEP2】減損損失の認識は「割引前」将来CFで判定
帳簿価額 > 割引前将来CF → 減損損失を認識する(STEP3へ)
帳簿価額 ≤ 割引前将来CF → 認識しない(今期は処理なし)
ポイントは「ここでは割引前を使う」というところ。将来のキャッシュを現在価値に割引かず、そのままの金額を足し合わせて、帳簿価額と比べます。割引かない大きめの金額と比べて、それでも回収できない資産だけを次のステップに送る——そうすることで、少しの兆候だけで減損損失を出しすぎない設計になっています。

【STEP3】減損損失の測定と回収可能価額の計算
減損損失 = 帳簿価額 - 回収可能価額
| 用語 | 意味 | 計算 |
|---|---|---|
| 使用価値 | 今後その資産を使い続けて得られるお金の現在価値 | 割引後の将来CF |
| 正味売却価額 | 今その資産を売ったら手取りいくらか | 時価 - 処分費用 |
なぜ「高い方」なのかというと、企業は「使い続ける」か「売る」かの有利な方を選べる立場にあるからです。
【頻出】計算例と表示・戻し入れのポイント
【例題】帳簿価額 1,000万円、割引前将来CF 800万円、使用価値 700万円、正味売却価額 600万円、減損の兆候:あり
| STEP | 判定・計算 | 結論 |
|---|---|---|
| STEP1 兆候 | 問題文で「兆候あり」 | STEP2へ |
| STEP2 認識 | 帳簿価額1,000 > 割引前CF 800 | 減損損失を認識する |
| STEP3 測定 | 回収可能価額 = max(使用価値700, 正味売却価額600) = 700 | 1,000 - 700 = 300万円 |
答えは減損損失300万円です。仕訳イメージは(借)減損損失 300万円 (貸)機械 300万円。
表示のポイント:損益計算書では減損損失は原則特別損失に表示。日本基準は戻し入れ禁止(IFRSは可能)。減損後の帳簿価額をベースに、残存耐用年数で減価償却を再計算します。

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まとめ:試験対策のポイント3つ
- 「兆候→認識→測定」の順番と、使うCFの種類をセットで覚える。認識は割引前、測定は回収可能価額(=割引後の使用価値と正味売却価額の高い方)
- 回収可能価額は「高い方」を採る。企業は使い続けるか売るかを選べるから、有利な方を採るというロジック
- 日本基準は戻し入れ禁止。IFRSとの違いとしてよく聞かれます
以上、建設業7年目のおけいでした!


