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社長のこの一言、経理としてはうれしい反面、手が止まりますよね。
「福利厚生費で落ちるの?」「給与として課税されない?」「そもそも何を配ればいいの?」と、疑問が3つ同時に湧いてきます。
この記事では、福利厚生費で落ちるかどうかの分かれ目を先に整理して、そのうえで「少額から何を配るか」の選択肢まで、経理の実務目線でまとめました。
🔍 先に結論
- 福利厚生費の分かれ目は「全従業員が対象か」と「金額が社会通念上妥当か」の2つ
- 現金・商品券など換金性の高いものは、原則として給与扱い(所得税・社会保険料の対象)
- カタログギフトも「選べる形式」ゆえに給与とみなされる可能性があり、事前に顧問税理士へ確認が必須
- 少額から試すなら、1冊1,100円(税込)・最低注文数なしのeカタログギフトという選択肢もある
「社員に何か還元したい」と言われたら、経理が最初に確認すること

最初に確認するのは、次の3点です。
- 誰に配るのか(全従業員か、一部の人だけか)
- 何を配るのか(現金か、現物か、サービスか)
- いくらで配るのか(1人あたりの金額)
この3点で、税務上の扱いはほぼ決まります。
社長の頭の中には「何を配るか」しかないことが多いです。だからこそ経理側が「誰に・いくら」を先に固めてしまいましょう。ここが曖昧なまま品物選びに進むと、あとで「実は給与扱いでした」と巻き戻しになります。
福利厚生費で落ちるかどうかの分かれ目

分かれ目1:全従業員が対象か(機会の平等性)
福利厚生費として認められるための大前提は、全従業員に機会が開かれていることです。
役員だけ、特定の社員だけを対象にすると、その人への給与(役員なら役員給与)として課税されるリスクがあります。「頑張った営業部だけに配る」も、この観点では要注意です。
分かれ目2:金額が社会通念上妥当か
いくらまでなら大丈夫、という万能の金額基準はありません。
よく聞く「3,500円」などの基準は、食事や記念品といった用途ごとに別々の話です。用途が違えば基準も違うので、「前にこの金額で通ったから今回も大丈夫」とは考えないほうが安全です。
分かれ目3:現金・換金性の高いものではないか
現金や商品券は、原則として現物給与の扱いです。つまり所得税と社会保険料の対象になります。

ここで正直に書いておきたいことがあります。この記事の後半で紹介するカタログギフトも、受け取る人が商品を自分で選べる形式です。この自由度や換金性をどう見るかによっては、給与とみなされる可能性があります。
「カタログギフトなら絶対に福利厚生費で落ちる」とは言えません。対象者・金額・配り方をセットにして、最終判断は必ず顧問税理士に確認してください。
よくあるNG例とOK例
3つの分かれ目を、建設業でありそうな場面に当てはめてみます。
NG例1:竣工祝いに、所長だけへ現金を渡す。一部の人だけが対象で、しかも現金です。分かれ目1と3の両方に引っかかり、給与として課税される可能性が高い形です。
NG例2:現場に出た作業員だけに商品券を配る。事務員が対象から外れて平等性が崩れるうえ、商品券は換金性の高い扱いです。「現場への労い」のつもりでも、税務上の見え方は別物です。
OK例:誕生日月の従業員全員に、役職を問わず同額の品物を贈る。全員に機会があり、金額も一律。支給基準を文書で残しておけば、福利厚生費として説明しやすい形になります。
建設業でつまずくポイント:「全員に平等」が意外と難しい

分かれ目1の「全従業員が対象」。これが建設業では意外とハードルになります。
現場作業員と事務員が混在している会社だと、こんなことが起きるからです。
- 現場の人は昼に事務所にいないので、「お昼に会社でみんなで」ができない
- 社内イベントを開いても、工期の都合で全員は集まれない
- 常用で他社の現場に入っている人や、拠点が分かれている人には物が届けにくい
うちの会社もまさにこれで、食事会型の還元は「参加できた人だけが得をする」形になりがちでした。結果として平等性が崩れ、福利厚生費として弱くなるという本末転倒が起きます。
人手不足で「辞めさせない」ことの優先度が上がっている今、現場の人にこそ届く形を選びたいところです。裏を返せば、郵送やURLで一人ひとりに直接届く形なら、現場と事務所の垣根なく同じ条件で渡せます。
少額から試せる選択肢:eカタログギフト「SenGift」

「じゃあ具体的に何を配るか」の選択肢の一つとして、eカタログギフトのSenGift(センギフト)を紹介します。
運営は株式会社yui(2017年設立・東京都新宿区)で、SenGiftとしてのサービス提供開始は2026年2月です。従業員が自分で好きな商品を選んで受け取る、カタログギフトの電子版と考えると分かりやすいです。
公式サイトで確認できる内容を整理します。
- 配り方:URLをメール等で送るか、QRコード付きのギフトカードを郵送する
- 価格帯:1,100円(税込)から。上は5万円を超えるプレミアム品まで
- 発注単位:1冊から発注可能。最低注文数・最低発注金額なし
- カスタマイズ:自社ロゴの挿入、メッセージの添付、自社商品の掲載に対応
- 納品:問い合わせ→ヒアリング→カタログ内容の提案→修正・確定→発注→納品の流れで、URL形式なら最短1営業日
- 用途例:誕生日祝い、表彰、季節イベント
経理として一番効くと感じたのは、最低注文数・最低発注金額がないことです。
福利厚生のサービスは「従業員◯名から」「年間契約から」という形が多く、社員20名の会社だと検討の土俵にすら乗らないことがあります。1冊1,100円から試せるなら、「今月誕生日の2人にまず配ってみる」という小さい始め方ができます。公式サイトには「内容に納得いただくまで一切費用はかからない」との記載もあります。
一方で、不明な点も正直に書いておきます。初期費用・月額費用の有無、契約期間、解約条件は公式サイトに明記が見当たりませんでした。ここは問い合わせの段階で必ず確認してください。
もう一点、税務の観点から。用途例にある「表彰」は一部の人だけが対象になるため、福利厚生費ではなく給与等の扱いになる可能性があります。全員対象の誕生日祝いとは税務上の見え方が違う点に注意してください。
導入前に経理が確認しておく3つのこと

配るものが決まりそうになったら、発注の前に次の3つを済ませておきましょう。
1. 顧問税理士への事前確認
「対象者・1人あたりの金額・配布形式(カタログギフトであること)」の3点セットで伝えて、給与課税にならないかを確認します。実行後の相談では手遅れになることがあるので、必ず配る前に聞いてください。
2. 勘定科目と支給基準の整理
福利厚生費で処理するなら、「誕生日月の全従業員に一律◯円分」のような支給基準を社内規程やメモとして残しておきます。基準が文書で残っていると、平等性の説明がしやすくなります。
3. 支給記録の残し方
誰に・いつ・いくら分を配ったかの一覧を作っておきましょう。税務調査で「全員に配っています」と口で言うより、一覧表1枚のほうがはるかに強いです。

\納得できるまで費用はかからないと公式に明記/
SenGiftの資料を請求する建設業でよくある3つの疑問
Q1. 一人親方や外注の職人さんにも配っていい?
福利厚生費の対象は、原則として自社の従業員です。雇用関係のない外注先の一人親方は、同じようには扱えない可能性が高いです。
建設業の現場は、自社の社員と外注の職人さんが一緒に働いています。「お世話になっているから全員に」と考えたくなりますが、ここは特に混ざりやすいところです。
もう一つ、大事な注意点があります。日頃から外注の職人さんを社員と同じように扱っていると、外注費そのものが給与と認定されるリスクの材料になりえます。区分の考え方は外注費と給与を正しく区分する5つの判断基準で詳しく解説しています。
Q2. 商品券やギフトカードを配るのとは何が違う?
商品券やギフトカードは換金性が高く、原則として現物給与(給与課税)の扱いです。
カタログギフトは「品物を選んで受け取る」形式ですが、選べる自由度の見方によっては同じ扱いになる可能性があります。「カタログギフトなら安全」とは言い切れません。
結局は形式だけでなく、金額の大きさと全員が対象かどうかをセットで見る必要があります。

Q3. 勘定科目は福利厚生費でいい?
福利厚生費で処理するのが基本です。ただし給与課税と判断される場合は、給与手当などへ振り替えることになります。
この判定は仕訳だけの話では終わりません。源泉徴収や社会保険料の計算にも影響が出ます。
税額や消費税の具体的な取り扱いは、状況によって変わります。自己判断で処理せず、顧問税理士に確認してください。
まとめ:分かれ目を押さえれば、社長の「還元したい」に即答できる
福利厚生費で落ちるかどうかの分かれ目は、「全従業員が対象か」「金額が社会通念上妥当か」「現金・換金性の高いものではないか」の3つでした。
カタログギフトは、現場と事務所に分かれた建設業でも平等に配りやすい形です。ただし選べる形式ゆえに給与とみなされる可能性はゼロではないので、対象者・金額・配布形式をセットで顧問税理士に確認してから進めてください。
税務の細かい答えをすべて覚える必要はありません。3つの分かれ目という判断基準さえ手元にあれば、相談されたその場で「これは大丈夫そう」「これは給与扱いになりそう」と一次判断ができます。それだけで税理士への相談は早く正確になり、経理としての頼もしさが一段上がりますよ。
次に社長から「何か還元したい」と言われたら、「誰に・何を・いくらで、をまず決めましょう」と返せれば、経理としては合格です。1,100円・1冊分の小さな試しからなら、失敗してもやり直せます。
以上、建設業7年目のおけいでした!


