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🔍 先に結論
- 経験記述は内容以前に「表現」で評価を落としやすい
- 「補助的に」「指示を受けて」「〜するようにした」「勉強になった」は主体性・具体性がない表現として避ける
- 自分が判断・実行したこと(対策を答える問題なら自分が考えた対策)を、数字や手順で具体的に書くのが基本
- 建築の問題1は令和6年度から、問題に示された工事概要に対して、自分の経験・知識で答える形。やっていないことを経験として書かない

- 経験記述は「表現」で評価を落としやすい
- 事務出身の人が最初に確認したいこと
- 減点されやすい表現の共通点
- NG①「補助的に」「サポートとして」
- NG②「指示を受けて」「上司の指示で」
- NG③「確認した」「チェックした」だけで終わる
- NG④「問題はなかった」「特に支障はなかった」
- NG⑤「現場監督が〇〇した」
- NG⑥「勉強になった」「〜と感じた」
- NG⑦ 専門用語を使わなさすぎる
- NG⑧ 話を盛りすぎる・やっていないことを書く
- NG⑨「〜するようにした」
- NG⑩「気を付けた」「注意した」
- NG⑪「問題が起きたが、速やかに対応した」
- 分野別|そのまま使えるNG→OK言い換え例40
- 減点を防ぐための最終チェックリスト
- まとめ|NG表現を避けるだけで答案は読みやすくなる
経験記述は「表現」で評価を落としやすい
施工管理技士の第二次検定(旧・実地試験)は記述式が中心で(種目・級によってはマークシートの設問もあります)、その中の経験記述は作文試験ではありません。
答案では、次の3点が読み取れるように書くことが大切です。
- 技術者としての判断・行動が読み取れるか
- 管理の項目(工程・品質・安全など)がはっきりしているか
- 自分の考え・行動として書かれているか
そのため、経験そのものより表現の選び方で損をしやすい、とよく言われます。
とくに事務出身の人は、ふだんの書類の書き方のクセで「事務処理に見える」「主体性が感じられない」文章になりがちです。
事務出身の人が最初に確認したいこと
表現を直す前に、「受検資格」と「答える形」を確認しておきましょう。
受検資格に必要な実務経験と、試験で答える内容は、分けて確認しましょう。
まず受検資格について、建設業振興基金の1級建築施工管理技術検定の受検の手引では、設計・積算・事務・営業など、施工に直接関わらない業務は実務経験として認められないとされています。
つまり、経理や積算の仕事は、受検資格の実務経験には入りません。
また建築の問題1は令和6年度から、自分の工事の概要を書く形ではなく、問題に示された工事概要に対して、自分の経験・知識をもとに答える形に変わりました(1級・2級共通)。事務出身の人は、受検資格となる施工管理の経験を積んだうえで、数字に強いという経理の強みを答案の「表現」に活かすのが現実的です。
出題テーマ(工程・品質・安全・施工の合理化・建設副産物対策など)も、種目や年度で変わります。
受検資格も令和6年度から新しくなり(一次検定などの合格後の実務経験年数で判定。令和10年度までは旧受検資格も選べます)、出題の形とあわせて最新の受検の手引・試験問題で必ず確認してください。

減点されやすい表現の共通点
NG表現には、次のような共通点があります。
- 主語があいまい、または自分以外になっている
- 判断・調整・是正が書かれていない
- 「言われたからやった」印象が強い
- 抽象的で、何をしたのかが見えない
- 感想文になっている
逆に言えば、自分の経験なら「私が・何を・どう判断して・どうなったか」、示された工事への対策なら「何を・どのように行い・どうなるか」が読み取れると、答案は伝わりやすくなります。
ここからは、よくあるNG表現を11パターンに分けて見ていきます。
NG①「補助的に」「サポートとして」
NG例
- 現場監督の補助として業務を行った
- サポート的な立場で関与した
なぜ減点されるか
補助・サポートという表現は、「自分では管理していない」と読まれやすくなります。
OK例
- 担当者として、〇〇工程の進捗管理を行った
- 私は日々の出来高確認と調整案の作成を担当した
自分が受け持った範囲を、「担当した」「行った」と言い切るのが基本です。
NG②「指示を受けて」「上司の指示で」
NG例
- 上司の指示を受けて工程管理を行った
- 現場から言われたため対応した
なぜ減点されるか
主体性がなく、自分で判断していない印象を与えます。事務出身の人がとくに書きがちな表現です。
OK例
- 上司と工程の進捗を共有しつつ、私は日々の出来高確認と調整案の作成を担当した
- 材料の納入遅れで工程に影響が出るおそれがあったため、搬入日の変更を調整した
上司との役割分担を書いたうえで、自分の判断で動いた部分を前に出します。


NG③「確認した」「チェックした」だけで終わる
NG例
- 施工状況を確認した
- 書類をチェックした
なぜ減点されるか
確認だけでは管理行為として弱く、事務処理のように読まれやすくなります。
OK例
- 施工計画書と照合し、数量の差異を把握したうえで是正を行った
- 工程ごとに自主検査を行い、不具合箇所を是正後に再確認した
「確認+対応」をセットで書きます。
NG④「問題はなかった」「特に支障はなかった」
NG例
- 特に問題は発生しなかった
- 支障なく完了した
なぜ減点されるか
課題がない=管理していない、と受け取られやすくなります。
OK例
- 遅れが出る前に、他工種との作業日を調整した
- 支障が出るおそれがあったため、事前に搬入経路を変更した
未然防止の視点を入れると、管理した事実が伝わります。
NG⑤「現場監督が〇〇した」
NG例
- 現場監督が工程調整を行った
- 監督が是正した
なぜ減点されるか
自分の経験を書く場面で主語が自分でないと、あなたの経験として読み取ってもらえません。
OK例
- 私は現場担当者と協議し、作業時間帯を調整した
- 私が不具合の情報を共有し、是正につなげた
自分の経験として書く文は、主語を「私」にします。

NG⑥「勉強になった」「〜と感じた」
NG例
- 大変勉強になった
- 原価意識が重要だと感じた
なぜ減点されるか
感想文のように読まれ、技術者としての行動が伝わりにくくなります。
OK例
- 次回工事に活かせるよう、管理手順を整理した
- 予算と実績を週ごとに比べ、差異が出た項目の是正案を検討・実施した
感情ではなく行動と結果を書きます。

NG⑦ 専門用語を使わなさすぎる
NG例
- お金の管理を行った
- 工期を調整した
なぜ減点されるか
施工管理としての理解が浅く見えます。
OK例
- 実行予算に基づき、工事原価を管理した
- 工程表をもとに、作業順序を組み替えた
一次検定で学んだ用語を、自然に入れるのがコツです。
NG⑧ 話を盛りすぎる・やっていないことを書く
NG例
- (実際はしていないのに)作業員を直接指導した
- (関わっていない工程まで)全体工程を統括した
なぜ減点されるか
自分の立場や工事の規模と合わない記述は、不自然さが目立ちます。答案には、実際に経験したことと、設問に対して自分が考える対策を区別して正確に書きましょう。
OK例
- 自分が担当した範囲を、具体的な行動で書く
- 担当外の部分は「現場担当者と協議し」など、自分の関わり方がわかる形で書く
無理に大きな話にする必要はありません。小さくても自分がやった事実が一番強い材料です。
NG⑨「〜するようにした」
NG例
- 工程が遅れないようにするようにした
なぜ減点されるか
実際に何をしたのかがわからず、管理の中身が見えません。
OK例
- 工程表を作り直し、作業が重なる工程を見直して、遅れのおそれを事前に解消した
「ようにした」は、ほぼすべて具体的な行動に置き換えられます。「〜を実施した」のように言い切りましょう。
NG⑩「気を付けた」「注意した」
NG例
- 作業員に安全に注意するよう指示した
- 品質に気を付けた
なぜ減点されるか
注意喚起だけでは管理と評価されにくく、指示の中身もあいまいです。
OK例
- 朝礼で危険箇所を図で示し、保護具の着用状況を点検した
- 施工要領書の確認項目にもとづき、工程ごとに検査した
「何に」「どうやって」気を付けたのかを、手段で書くのがポイントです。
NG⑪「問題が起きたが、速やかに対応した」
NG例
- トラブルが発生したが、速やかに対応した
なぜ減点されるか
トラブルの中身も対応の中身も不明で、判断力が見えません。
OK例
- 資材の納入遅れが発生したため、代替品の選定と工程の組み替えを行い、全体工期への影響を回避した
「何が起きた→何をした→どうなった」の順で書きます。
分野別|そのまま使えるNG→OK言い換え例40
よく使う言い回しを、分野別に言い換え例としてまとめました。
問題に示された工事概要や設問の条件に合わせ、そこに示された数字や工種、実際の経験の事実を入れて使ってください。
建築の問題1のように、示された工事への対策を答える問題では、その工事概要と設問の条件に合うものだけを選び、文末を「〜する」の形に変えて使います。

工程管理
| NG | OK |
|---|---|
| 工程が遅れないようにした | 工程表を見直し、作業順序を調整した |
| 進捗を確認した | 日ごとに出来高を確認し、計画との差を把握した |
| 調整を行った | 他工種と作業日を調整した |
| 工期短縮を意識した | 並行して施工できる工程を洗い出した |
| 柔軟に対応した | 天候不良の日は屋内作業に切り替えた |
| 前倒しで進めた | 資材の納入日を調整し、工程を前倒しした |
| 連携を図った | 作業時間帯を調整し、作業の干渉を防いだ |
| 作業を整理した | 作業の順番を組み直した |
| 遅れに対応した | 工程を組み替え、全体工期への影響を回避した |
| 進行を確認した | 出来高を数値で管理した |
品質管理
| NG | OK |
|---|---|
| 品質に注意した | 施工前に施工基準を確認した |
| 確認を行った | 工程の完了時に自主検査を行った |
| 不具合を修正した | 是正したあとに再確認した |
| 丁寧に施工した | 施工要領書の手順どおりに施工した |
| 仕上がりを確認した | 寸法と外観を検査項目に沿って確認した |
| チェックした | 検査結果を写真で記録した |
| 是正した | 原因を分析してから是正した |
| 指摘を受けた | 指摘された内容を是正し、再発防止策をまとめた |
| 再発防止を行った | 施工手順を見直した |
| 品質を意識した | 確認の頻度を増やした |
安全管理
| NG | OK |
|---|---|
| 安全に配慮した | 作業前にKY活動(危険予知活動)を実施した |
| 注意喚起した | 危険箇所を表示した |
| 声掛けした | 朝礼で当日の注意点を伝えた |
| 事故防止に努めた | 立入禁止の措置を行った |
| 安全指導した | 保護具の着用を確認した |
| 災害防止を意識した | 危険な作業を洗い出した |
| 安全確認した | 作業の前後に点検した |
| 対応した | 原因を分析し、再発防止策を実施した |
| 意識づけした | 過去の事故事例を共有した |
| 確認を徹底した | チェック表で管理した |
どの分野でも使える表現
| NG | OK |
|---|---|
| 原価を意識した | 予算と実績を比べた |
| 数字を見た | 原価率を確認した |
| 改善した | 差異の原因を分析した |
| 確認作業を行った | 出来高と請求内容を照合した |
| 書類を作成した | 管理表を作成し、関係者と共有した |
| 検討した | 条件を整理し、対策案を作成した |
| 共有した | 資料を使って説明した |
| まとめた | 結果を整理して報告した |
| 学んだ | 次の工事の手順に反映した |
| 関与した | 〇〇の管理を担当した |
OK例に共通するのは、動詞が具体的な行動になっていることです。
「管理した」「対応した」で止めず、何をしたのかまで書き切りましょう。

減点を防ぐための最終チェックリスト
書き上げたら、1文ずつ次の項目で見直します。
- 自分の経験を書く文は、主語が「私」になっているか
- 「何を」「いつ」「どのように」行う(行った)かが書かれているか
- 確認だけで終わらず、判断・調整・是正まで書いているか
- 管理の項目(工程・品質・安全など)がはっきりしているか
- 「ようにした」「気を付けた」などのあいまいな表現が残っていないか
- 感想文になっていないか
- 実際にやっていないことを、経験として書いていないか
まとめ|NG表現を避けるだけで答案は読みやすくなる
経験記述では、設問に沿った中身に加えて、表現の正確さも大切です。
同じ経験でも、主語と動詞を変えるだけで読み手の受け取り方は大きく変わります。
まずは自分の下書きから「補助的に」「ようにした」「確認した」「勉強になった」を探してみてください。
見つけたところを言い換え例で直すだけでも、答案はぐっと引き締まります。

この記事のまとめ
- 経験記述は内容以前に表現で評価を落としやすい
- 補助・指示待ち・あいまい・感想文の表現はNG
- 「私が・何を・どう判断して・どうなったか」(対策なら「何を・どう行い・どうなるか」)を書く
- 建築の問題1は示された工事概要に答える形。やっていないことを経験として書かない
- 受検資格・出題テーマは最新の受検の手引で確認
以上、おけいでした!


