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私自身、2026年9月13日の建設業経理士1級(財務諸表・財務分析)に向けて独学しました。中でも混乱しやすいのが「完成工事高の認識基準」の周辺です。工事完成基準・工事進行基準・原価回収基準…名前は聞くけど、要件と計算式がごちゃっとしがち。
この記事では、パタ解き 財務諸表 CHAPTER 2 と「工事契約に関する会計基準」(2021年4月以後に始まる事業年度からは「収益認識に関する会計基準」に置き換わり、廃止)をベースに、試験で問われるポイントと、積算・経理の現場から見た実務のイメージをセットで整理します。読み終わったときに「進行基準の3要件と原価比例法の式が口で言える」状態を目指します。
🔍 先に結論
- 試験で押さえる認識基準は工事完成基準・工事進行基準・原価回収基準の3つ
- 進行基準は(旧・工事契約会計基準では)3要件(収益総額・原価総額・進捗度を信頼性をもって見積れる)で適用
- 進捗度は原価比例法(発生原価÷工事原価総額)が代表的な方法
📚 私が使ったテキスト
この記事は、ネットスクール『建設業経理士1級 財務諸表 出題パターンと解き方(パタ解き)』の内容をベースに整理しています。私自身もこのシリーズ(使ったのは2025年版。下のリンクは最新の版です)を独学で回して、2026年9月13日の試験を受験しました。
🎥 動画講義でも学べます(簿記の教室メイプル)
わたしが独学で活用していた「簿記の教室メイプル」の該当講義です。建設業経理士1級 原価計算 第57回 工事完成基準、工事進行基準で完成工事高の認識基準が学べます。この記事と合わせて視聴すると理解が深まります。
完成工事高の認識基準とは? なぜ建設業特有のルールが必要か
建設業の売上は「引き渡した瞬間」に一気に立つとは限りません。マンション1棟、橋、大規模改修…どれも工期が数か月から数年に及び、決算日をまたぐのが当たり前です。そこで問題になるのが「決算のタイミングで、この工事の売上をいくら計上するか」という論点です。
一般の商売なら「モノを引き渡した日」で売上を立てれば十分ですが、建設業でそれをやると、工期3年の大型工事は3年目まで売上ゼロ、3年目にドンと計上、という極端な損益になってしまいます。これでは会社の実力が財務諸表に映りません。だからこそ、建設業には「完成工事高(=工事の売上高)」の認識ルールが別途整理されているわけです。
試験対策としては、認識基準を次の3つで整理します(工事完成基準・工事進行基準は旧・工事契約会計基準、原価回収基準は収益認識会計基準の用語です)。
- 工事完成基準:工事が完成し引き渡した時点で、完成工事高・完成工事原価を一括計上する
- 工事進行基準:決算日における工事進捗度に応じて、完成工事高・完成工事原価を期間配分で計上する
- 原価回収基準:発生した工事原価のうち、回収できると見込まれる範囲を完成工事高として計上する(「収益認識に関する会計基準」で、進捗度を合理的に見積もれないときに使う方法)

【工事完成基準】シンプルだが利益の平準化ができない
工事完成基準は、工事が完成して発注者に引き渡した時点で、完成工事高と完成工事原価を一括計上する方法です。売上と原価が対応するタイミングもはっきりしていて、実務としても計算がラクなのが強みです。
一方で、大きな弱点があります。期間損益がデコボコになることです。工期が決算をまたぐ工事だと、途中の期は売上ゼロ、引渡しの期にドンと売上・利益が乗ります。会社の実態としては前期も同じくらい働いているのに、財務諸表からはそれが見えません。
- 長所:計算が確実、恣意性が入りにくい、実現主義との親和性が高い
- 短所:期間損益が対応しない、経営成績が長期の工事で読みづらい
【工事進行基準】原則的方法・3つの要件と計算式
工事進行基準は、決算日時点の工事進捗度に応じて、その期の完成工事高と完成工事原価を計上する方法です。長期工事でも各期に売上と原価が配分されるので、期間損益が実態に近づきます。
ただし旧・工事契約会計基準では、進行基準は次の3つの要件をすべて満たすときにだけ適用できます。
- ①工事収益総額を信頼性をもって見積もることができる
- ②工事原価総額を信頼性をもって見積もることができる
- ③決算日における工事進捗度を信頼性をもって見積もることができる
「信頼性をもって見積もる」がキーワードです。3つのうち1つでもグラつくと進行基準は使えません。進捗度の見積方法は原価比例法が代表的(より合理的な方法があればそれも使える)で、次の式で計算します。
📐 進行基準の基本式
工事進捗度 = 発生原価累計額 ÷ 工事原価総額
当期末までの完成工事高累計 = 工事収益総額 × 工事進捗度
当期完成工事高 = 当期末までの完成工事高累計 - 前期までの計上済み完成工事高

私自身、積算(図面からの数量の拾い出し)の仕事もしているんですが、進行基準(原価比例法)では、工事原価総額の見積りに関わる積算の精度が、進捗度を通じて売上計上に影響します。「積算がブレると売上もブレる」というのが実務の重さで、試験の3要件が現場と地続きだと感じます。
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建設業経理士1級の勉強計画を見る【原価回収基準】進行基準の要件を満たせないときの選択肢
工事が始まって発生原価は積み上がっているのに、総額が固まらず、進捗度を合理的に見積もれないケースは実務でも普通にあります。例えば、仕様変更が続いて総額が固まらない案件などです。「収益認識に関する会計基準」では、この場合に原価回収基準を使います(旧・工事契約会計基準では工事完成基準)。
原価回収基準では、発生した工事原価のうち、回収できると見込まれる範囲を完成工事高として計上します。「回収が見込まれる原価と同じ額を売上に立てる(全額回収できる見込みなら、利益はゼロ)」形になり、見積もれない利益を無理に計上しない、という慎重な処理です。

試験に出る計算例と表示のポイント
シンプルな計算例を1つやっておきましょう。3つの数字(前期までの計上分があればそれも)さえ拾えれば、進行基準の完成工事高は解けます。
📝 例題
工事収益総額:1億円/工事原価総額(見積):8,000万円/当期末までの発生原価累計:6,000万円(前期までの計上済み完成工事高はゼロ)→ 当期完成工事高は?
- ①進捗度:6,000万円 ÷ 8,000万円 = 75%
- ②当期末までの完成工事高累計:1億円 × 75% = 7,500万円
- ③当期完成工事高:7,500万円 - 0円 = 7,500万円
ポイントは、「累計で計算してから、前期までの計上分を引く」という順番です。前期にすでに計上している金額がある問題では、③の引き算が得点差になります。
もう1つ、表示上の注意です。進行基準を採用している工事で、まだ入金・請求が済んでいない部分は、「完成工事未収入金」として貸借対照表に載ります(旧・工事契約会計基準の考え方。収益認識会計基準では、請求の権利がまだ無条件でなければ「契約資産」になります)。反対に、入金が先行していれば「未成工事受入金」です(収益認識会計基準では「契約負債」)。
私自身、1級建築施工管理技術検定の一次検定に「毎日2時間・半年」で1発合格したときも、用語や数字は解説動画を見てノートにまとめ、くり返し覚える作業を続けていました。財務諸表も同じで、原価比例法の3行の式を、何も見ずに書けるまでくり返すだけで本試験の景色が変わります。
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まとめ:試験対策のポイント3つ
- 認識基準は3つ:工事完成基準・工事進行基準・原価回収基準。進行基準の要件を満たさないときの扱い(完成基準か原価回収基準か)は、どの会計基準の考え方で問われているかを問題文で確認する
- 進行基準の3要件(旧・工事契約会計基準):工事収益総額・工事原価総額・工事進捗度を信頼性をもって見積もれる
- 進捗度は原価比例法(発生原価÷工事原価総額)、当期完成工事高は「累計-前期までの計上分」で計算
以上、建設業7年目のおけいでした!


