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建設業の経理を7年やってきましたが、現場経費の精算ほど時間を吸い取られる仕事はありません。職人さんが持って帰ってくる領収書はクシャクシャ、現場名のメモはなし、ガソリンスタンドの控えは色あせて読めない…。私自身、月末になるたびに頭を抱えていました。
この記事では、その悩みを劇的に減らしてくれる「法人ETCカード」と「法人ガソリンカード」について、経理目線で正直に解説します。新会社・小規模建設会社でも作れる定番カードを2枚紹介します。
🔍 先に結論
- 建設業の現場経費を一元管理するなら「法人ETCカード」+「法人ガソリンカード」の2枚持ちが最強
- どちらもクレジット会社の審査がなく、新会社OK・個人保証不要なので、小規模建設会社や設立直後の会社でも申し込みやすい(ガソリンカードは組合の審査があります)
- 明細が現場別・車両別に整理されるので、入力がラクになる。私の会社では、ガソリンカードなどを入れてから経理の作業が月10時間以上減りました
建設業の現場経費が「領収書地獄」になる3つの理由

そもそも、なぜ建設業の経費精算はこんなに大変なのでしょうか。経理として見てきた限り、原因は3つに集約されます。
① 現場が複数あって、経費を分けるのが手間
建設業は同時並行で複数の現場が動きます。「この高速代はA現場?B現場?」と職人さんに聞いても「どっちだったかなぁ…」となるのが日常。原価管理上、現場別に振り分ける必要があるのに、領収書だけ見ても判断できません。
② 領収書の紛失・破損が多い
作業着のポケットに入れっぱなしで洗濯機で粉々…これ、建設業あるあるです。ガソリンスタンドのレシートは感熱紙で字が消えますし、ETCの領収書は車内に放置されがち。月末に「あれ、足りない」と気づいても再発行は手間です。
③ 現金立替で職人さんから請求される処理が煩雑
「ガソリン入れたから5,000円ください」という現金精算が頻発。仮払金や立替金の仕訳が増え、月末の締めがどんどん遅れます。私の会社でも、現金精算をやめるまで月次決算が常に5日遅れていました。

解決策は「法人ETCカード+法人ガソリンカード」の2枚持ち
領収書を集めて入力するのではなく、「カードで決済→明細が自動で届く」仕組みに切り替えるのが最速の解決策です。建設業の現場経費は、突き詰めると「高速代」と「ガソリン代」が大半を占めます。この2つをカード化するだけで、経理の手間は劇的に減ります。
建設業に最適な2枚はこれ
| 項目 | 法人ETCカード | 法人ガソリンカード |
|---|---|---|
| 発行元 | ETC協同組合 | 高速情報協同組合 |
| 用途 | 高速道路 | 全国約6,400店のアポロステーション(出光・昭和シェル系列) |
| クレジット会社の審査 | なし | なし(組合の審査あり) |
| 新会社の発行 | ◎ | ◎ |
| 個人保証 | 不要 | 不要 |
| 年会費 | 年間手数料880円/枚(ほかに発行手数料880円/枚・事務手数料8%) | 無料 |
| 建設業との相性 | ◎ | ◎ |
2枚とも協同組合が発行するため、クレジット会社の審査がありません。決算が赤字でも、設立1年目でも、個人保証なしで作れるのが最大の特徴です。

法人ETCカードを建設業で使うメリット5つ

まずはETC協同組合の法人ETCカードから。公式サイトでも「新会社でも作れる法人ETCカード」と案内されています。
① クレジット審査なしで作れる
協同組合への加入手続きだけで申込可能。赤字決算でも設立直後でも作れるのは、建設業の小規模会社にとって大きな魅力です。
② 現場別・車両別の利用明細が届く
1台ずつカードを発行できるので、どの車(=どの現場担当)がどこの高速を使ったかが明細で一目瞭然。原価管理上、現場別の振り分けが格段にラクになります。
③ ETCマイレージが貯まる
建設業は遠方現場への移動も多く、年間で見るとETC利用額がかなりの金額に。マイレージが貯まれば実質的な値引きになります。
④ 経理の入力作業が激減
月1回まとめて明細が届くため、領収書を集める→入力するという作業がゼロに。私の体感では、月10時間以上の経理工数が削減できました。
⑤ 立替精算がなくなり職人さんとの摩擦も減る
「立て替えたお金がなかなか戻ってこない」というクレームが消えます。職人さんは現金を持ち歩かなくて済み、経理は仮払・立替の仕訳から解放される。双方が幸せになる仕組みです。
法人ガソリンカードを建設業で使うメリット

続いて高速情報協同組合の法人ガソリンカード。こちらもクレジット会社の審査はなく(組合の審査はあります)、新会社でも申し込めます。使えるのは、全国約6,400店のアポロステーション(出光・昭和シェル系列)です。
① 全国の系列スタンドで使える
遠方現場や出張時でも給油場所に困りません。建設業は決まった給油所だけでなく、その日の現場近くで入れることが多いので全国対応は必須条件です。
② 給油明細が車両別・運転手別に管理可能
1台1枚で発行できるので、車両別の燃費管理にも使えます。「Aの車だけ妙に燃費が悪い」など、車両のメンテナンス時期の判断材料にもなります。
③ 燃料費の経費精算が劇的にラクに
これも法人ETCカードと同じく、領収書集めと現金精算が不要になるのが最大のメリット。月末締めが早くなり、月次決算のスピードが上がります。

申込前に知っておきたい4つの注意点
正直なところ、メリットだけではありません。経理目線で気をつけたい点を4つお伝えします。
① ETCカードは手数料がかかる
法人ETCカードは、1枚あたりカード発行手数料880円(税込)と年間手数料880円(税込)がかかり、さらに毎月の走行料金に対して8%の事務手数料が加算されます(ETC協同組合の公式サイトより)。法人ガソリンカードは年会費・カード発行手数料とも無料です(高速情報協同組合の公式サイトより)。手数料と、経理の手間が減る効果を比べて判断しましょう。
② 出資金(協同組合の組合員になるため)が必要
協同組合に加入する形になるため、入会時に出資金(10,000円程度・脱退時に返金)が必要です。「借方:出資金/貸方:普通預金」で資産計上します。
③ 与信枠(限度額)は控えめ
クレジット審査がない分、月の利用上限が一般法人カードより低めです。大規模工事の出張連発などで使う場合は、複数枚発行で対応するか、別の方法も検討が必要です。
④ 組合によっては、利用額の一部が積立金になる
私の会社では、ETC協同組合のガソリンカードを使っています。このカードでは、毎月の利用額の10%が「積立金」として引かれていました。積立金はカードを解約したときに戻ってくるお金です。使い始めて6年で、積立金は約200万円になっていました。
社内で「この積立金、もったいないよね」という話が出て、ダメもとで組合に返金か積立の中止をお願いしてみました。返金はできないものの、今後の積立は止められるとのことで、2026年9月から積立を止めてもらっています。
この記事で紹介している高速情報協同組合のガソリンカードは、私の会社のカードとは発行元が違います。積立の有無や割合は公式サイトでは確認できなかったので、どの組合のカードでも、申し込む前に組合へ直接確かめておくと安心です。積立金は解約すると戻ってくるお金なので、帳簿では費用ではなく資産として計上します(科目は顧問税理士と相談してください)。すでに使っていて資金繰りが苦しい方は、積立を止められないか一度相談してみてもいいかもしれません。

こんな建設会社にはおすすめ
| ✅ おすすめする会社 | ❌ おすすめしない会社 |
|---|---|
| 設立直後で法人クレカが作れない | すでに与信豊富な大手 |
| 赤字決算で審査に通らない | 現場が1つで車両も1台 |
| 職人さんから現金立替の請求が頻発 | 個人で給油・高速代を管理したい |
| 現場別の原価管理を強化したい | — |
| 月次決算のスピードを上げたい | — |
小規模・中規模の建設会社で「経理担当が1〜2人」という会社にはほぼ全員おすすめできます。逆に、専属経理担当がたくさんいる大手や、車両1台の超小規模会社では効果が薄いかもしれません。
よくある質問(FAQ)
Q. 個人事業主でも作れますか?
A. はい、個人事業主(一人親方)でも申込可能です。組合員として加入する仕組みなので、法人格の有無は問われません。
Q. 設立1年目の会社でも本当に作れますか?
A. 作れます。法人ETCカード(ETC協同組合)は公式サイトで「新会社でも作れる」と案内しています。決算書がなくても問題ありません。
Q. ガソリンカードはどのSSで使えますか?
A. 全国約6,400店のアポロステーション(出光・昭和シェル系列)で使えると案内されています。ENEOSやコスモ石油は案内されていないので、よく使うスタンドが対象かどうか、申し込む前に公式サイトで確認しておきましょう。
Q. ETCカードとガソリンカードは別々に申し込むんですか?
A. はい、発行している協同組合が違うので別々の申込が必要です。ただし、申込手続きはどちらも10分程度で完了します。
Q. 経費の勘定科目はどう処理すればいいですか?
A. 現場への移動や資材の運搬に使った分は、その工事の原価(経費。期中は工事ごとに集め、未完成の工事の分は未成工事支出金)に入れます。営業や事務所の用事で使った分は、会社全体の費用(販管費)として「旅費交通費」「車両費」などで処理します。明細が現場別・車両別に届くので、どの工事の分かを明細から振り分けられます。私の会社では、職人さんが使う車の費用は工事原価、営業用の車は販管費に分けています。くわしくは「建設業の経費精算と仕訳|現場の支払いを工事ごとに振り分けるコツ」を見てください。
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まとめ:現場経費の管理は「集める」から「自動で記録される」へ
建設業の経理担当者にとって、現場経費の精算は最も時間を取られる業務のひとつです。私自身、経理を7年続けてきた中で、領収書集めと現金精算に追われる日々を何度も経験してきました。
「集めて入力する」のではなく「使ったら自動で明細が届く」仕組みに変えるだけで、月次決算のスピードと経理の心の余裕が劇的に変わります。法人ETCカードと法人ガソリンカードの2枚持ちは、その第一歩として最もコストパフォーマンスの良い選択です。
新会社・小規模・赤字決算でも作れるカードなので、「法人クレカは無理だった」という会社こそ試す価値があります。まずは公式サイトで詳細を確認してみてください。
以上、建設業7年目のおけいでした!


