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🔍 先に結論
- 税効果会計は「会計上の利益」と「税務上の課税所得」のズレを調整する仕組み
- 差異は「一時差異」と「永久差異」の2種類。税効果の対象は一時差異だけ
- 将来減算一時差異=将来の税金が減る→繰延税金資産を計上
- 将来加算一時差異=将来の税金が増える→繰延税金負債を計上
📚 私が使っているテキスト
ネットスクール『建設業経理士1級 出題パターンと解き方 財務諸表』の税効果会計の章をベースに整理しています。
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わたしが独学で活用している「簿記の教室メイプル」の該当講義です。建設業経理士1級 財務諸表 第78回 税効果会計の意義で税効果会計の考え方が学べます。この記事と合わせて視聴すると理解が深まります。
税効果会計とは?なぜ必要か

税効果会計は、会計上の利益と税務上の課税所得のズレを調整する仕組みです。両者は計算のルールが違うため、そのままでは損益計算書の税金費用と利益が対応しません。
たとえば会計では費用に計上したのに、税務では損金にならないケース。この場合、利益は減っているのに税金は減りません。損益計算書だけ見ると「利益に対して税金が重すぎる」ように映ります。
この歪みを整えるのが税効果会計です。将来の税金を先に見積もり、繰延税金資産や繰延税金負債として計上します。結果として、税引前当期純利益と法人税等が対応する形になります。

一時差異と永久差異の違い

差異には「一時差異」と「永久差異」があります。税効果の対象になるのは一時差異だけ。ここを混同すると失点します。
一時差異:いずれ解消するズレ
一時差異は、いつかは会計と税務が一致するズレです。たとえば減価償却の耐用年数が違う場合、償却の合計額は同じ。だから最終的には差が消えます。この「いつか解消する」タイプが税効果の対象です。
永久差異:永遠に埋まらないズレ
永久差異は、会計と税務が永久に一致しないズレです。代表例は交際費の損金不算入や受取配当金の益金不算入。これらは将来解消する見込みがありません。だから税効果会計の対象外です。
将来加算一時差異(繰延税金負債になるパターン)

将来加算一時差異は、将来の課税所得を「増やす」差異です。今は税務上の所得が小さいけれど、将来解消するときに所得が増える。つまり将来の税金が増えます。
この場合は繰延税金負債を計上します。将来払う税金を先に負債として認識するイメージです。
代表例は「その他有価証券の評価差額(評価益)」。会計では純資産に計上しますが、税務では認識しません。売却時に課税所得が増えるので、繰延税金負債を積みます。
将来減算一時差異(繰延税金資産になるパターン)
将来減算一時差異は、将来の課税所得を「減らす」差異です。今は税務上の所得が大きいけれど、将来解消するときに所得が減る。つまり将来の税金が減ります。
この場合は繰延税金資産を計上します。将来減る税金を先に資産として認識するイメージです。
ただし繰延税金資産には「回収可能性」の判断が必要です。将来十分な課税所得が見込めないと、資産に計上できません。試験でも問われる論点です。
見分け方の実例5つ

ここが本題。頻出5例で判別練習をします。判定のコツは「解消するとき、課税所得は増える?減る?」の一問で決めることです。
①減価償却費の償却超過額
会計上の償却費が税務上の限度額を超えると、超過分は当期に損金にできません。将来、税務上の残存簿価を償却するときに損金化されます。解消時に課税所得が減るので、将来減算=繰延税金資産です。
②貸倒引当金の繰入超過額
会計で計上した貸倒引当金が、税務上の限度額を超えたケース。超過分は当期の損金になりません。将来、貸倒れが実際に発生したときに損金化されます。将来減算=繰延税金資産です。
③退職給付引当金
退職給付引当金は、会計では毎期の勤務に応じて費用計上します。ただし税務では、実際に退職金を支払ったときに損金となります。将来支払時に損金化されるので、将来減算=繰延税金資産です。
④その他有価証券評価差額金(評価益)
評価益は会計上、純資産に直接計上します。税務では未実現のため課税されません。将来売却時に課税所得が増えるので、将来加算=繰延税金負債です。逆に評価損なら将来減算=繰延税金資産となります。
⑤繰越欠損金
繰越欠損金は、将来の課税所得と相殺できます。相殺時に課税所得が減るので、将来減算=繰延税金資産です。ただし将来利益が出る見込みがなければ計上できません。回収可能性の判断が特に重要な項目です。

試験でよく問われるポイント3つ

①永久差異は税効果の対象外
交際費・受取配当金・寄附金の一部など、永久差異は税効果の対象になりません。仕訳問題で「これは永久差異だから調整しない」と即答できるように整理しておきます。
②繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産は将来の課税所得で回収されて初めて意味を持ちます。回収見込みがなければ計上不可、または取り崩しが必要です。ここは記述問題でも問われます。
③法定実効税率で計算する
繰延税金資産・負債は、解消時に適用される法定実効税率で計算します。表面税率ではありません。税率変更があった場合の再計算も含めて確認しておきましょう。
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まとめ
税効果会計の判別は「解消時に課税所得が増えるか減るか」の一問で決まります。増える=将来加算=繰延税金負債。減る=将来減算=繰延税金資産。この対応関係を頭に入れれば、実例が変わっても対応できます。
あわせて永久差異は対象外、回収可能性の判断、法定実効税率の3点も押さえておきましょう。頻出5例を仕訳ごと繰り返せば、本試験でも安定して得点できる論点です。



