

今回の記事でわかること
- 黒字なのに苦しくなる仕組み
- 税理士任せ経営の3つの落とし穴
- 黒字倒産予備軍の会社の共通点
- 社長が最低限見るべき3つの数字
「今期も黒字ですね」
決算のたびにそう言われて、安心していませんか。
にもかかわらず
・口座残高は増えない
・支払い前になると資金繰りが苦しい
・賞与や設備投資の判断が毎回遅れる
もし一つでも当てはまるなら、あなたの会社は**“黒字倒産予備軍”**かもしれません。
この状態を生む最大の原因は、税理士任せの決算経営です。
本記事では、
- なぜ黒字なのに資金が足りなくなるのか
- 税理士任せ経営のどこに落とし穴があるのか
- 社長が最低限見るべき「数字」とは何か
を、建設業・中小企業の実態に即して解説します。
🔍 先に結論
- 黒字なのに資金繰りが苦しいのは「黒字倒産予備軍」の典型サイン
- 税理士任せ経営には3つの落とし穴がある
- 社長が最低限見るべき数字は3つ
- 資金繰りを把握しない経営が一番危険

なぜ「黒字」なのに会社は苦しくなるのか
まず押さえるべき前提があります。
黒字=お金が増えている、ではありません。
決算書の利益は、あくまで「会計上の数字」です。
実際の現金の動きとは一致しないケースがほとんどです。
よくある勘違い
- 売上が立っている=入金されている
- 利益が出ている=使えるお金がある
- 税金を払えた=経営は順調
しかし実際は、
- 売上は立っているが入金は2〜3か月後
- 外注費や材料費は先払い
- 借入返済は利益に関係なく毎月発生
このズレが積み重なり、
決算後に「こんなに税金払うの?」と驚く社長が生まれます。
税理士任せ経営が生む3つの落とし穴

税理士は「税務・会計の専門家」であって、
資金繰りの責任者ではありません。
にもかかわらず、
- 決算書をほぼ見ていない
- 説明は「黒字です」「税金は○円です」で終わり
- 月次は見ず、年1回だけ数字を確認
という経営になっていませんか。
落とし穴①:決算は“過去の結果”でしかない
決算書は、
1年前の経営の結果をまとめた報告書です。
そこから
- 来月の支払いが足りるか
- 半年後に資金ショートしないか
- 借入返済を続けられるか
は、読み取れません。
落とし穴②:税金対策=資金繰り対策ではない
節税のために
- 減価償却を抑える
- 利益を調整する
ことはありますが、
それで手元資金が増えるとは限りません。
むしろ
「税金は抑えたが、現金がない」
という状態になることも珍しくありません。
落とし穴③:社長が数字を判断材料にしていない
最も危険なのは、
社長自身が数字を使って意思決定していないことです。
・この工事、受けて大丈夫か
・人を増やして回るのか
・今、借入をしても問題ないか
これらを「感覚」で決めている場合、
会社は常に綱渡り状態になります。
黒字倒産予備軍の会社に共通する特徴

以下に当てはまる場合、要注意です。
- 月次決算を見ていない
- 預金残高だけで経営判断している
- 「忙しいから数字は後回し」になっている
- 利益は出ているのに借入が減らない
- 決算前に税金額を聞いて初めて慌てる
これらはすべて、
資金繰りを構造的に把握できていないサインです。

出来ている会社は何が違うのか
一方で、安定している会社には共通点があります。
出来ている会社の変化
- 月1回、30分で数字を確認している
- 「利益」ではなく「現金の増減」を見ている
- 決算前に税金額を予測できている
- 借入返済後の残高を把握している
- 設備投資や採用を数字で判断できる
特別な会計知識は必要ありません。
見る数字を絞っているだけです。
社長が最低限見るべき3つの数字

税理士レベルの知識は不要です。
以下の3点だけで十分です。
- 現在の手元資金
- 1か月あたりの資金増減(キャッシュフロー)
- 今後3〜6か月の支払い予定
これを毎月同じ形で確認することが重要です。
ここで初めて、
- いくらまで使っていいか
- いつ借入が必要か
- 今月の利益が意味を持つか
が判断できるようになります。
資金繰りを把握しない経営が一番危険

多くの倒産は、
「赤字だから」ではありません。
資金繰りを見ていなかったからです。
・利益が出ている
・仕事は回っている
・税理士も特に何も言わない
この状態が一番危険です。

次に読むべき記事
ここまで読んで、
「じゃあ、具体的に何を見ればいいのか?」
と思った方へ。
▶ 資金繰りの基本とキャッシュフローの考え方を解説した記
この中で、
- 月1回30分で数字を把握する方法
- 建設業でも使えるシンプルな管理方法
- 決算前に慌てなくなる仕組み
を具体的に解説しています。
まとめ
- 黒字=安心、ではない
- 税理士任せ経営は黒字倒産を招く
- 社長が見るべきは「現金の流れ」
- 月1回、30分で十分
- 資金繰りを把握できれば経営判断は変わる
決算で驚く経営から、
数字を使って先手を打つ経営へ切り替えましょう。

この記事のまとめ
- 黒字倒産は利益と現金のズレで起きる
- 税理士任せは数字の遅さが致命傷
- 予備軍の会社は現金を見ていない
- 見るべき3つは現金・売掛・買掛
以上、けいりんでした!
あわせて読みたい関連記事
実際に経験した「決算の驚き」と、税理士任せをやめた理由
「決算のたびに驚く」というのは、決して他人事ではありません。私自身が経験したことをお伝えします。
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期中はそれなりの利益が出ていると思っていたのに、決算で税理士が仕訳を入れたとたん、数字が大きく動いたことがありました。特に影響が大きかったのが「仕掛(未成工事支出金)」への振替です。
完成していない工事の売上と原価は、決算時に「仕掛」として処理されます。これによって、期中に計上していた売上が一気に消え、利益も想定を大きく下回る結果になりました。「売上を仕掛に振り替える」という処理を理解していないと、決算のたびに「なぜこうなるのか」がわからないまま終わってしまいます。
②融資返済に追われ、黒字でも会社にお金が残らない
損益計算書では黒字でも、手元にお金が残らない状況が続いています。主な原因は融資の返済です。返済は「費用」ではなく「借入金の減少」として処理されるため、損益に反映されません。つまり利益が出ていても、その分が返済に消えていくという構造になっています。
「黒字倒産」という言葉は教科書の話だと思っていましたが、実際に返済と手元資金のバランスを日々見ていると、それが決して絵空事ではないと感じます。
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また、内装業特有の仕訳(未成工事支出金・完成工事未収入金など)を深く理解している税理士ばかりではないことも実感しました。結局、会社経営は自分たちで考えていくしかない。その気づきが、自分たちで数字を管理しようとするきっかけになりました。


