建設業の原価管理3ステップ!赤字工事を防ぐ方法

事業とお金の管理
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建設業の経理をしていて、最も切ない瞬間のひとつが「完工後に台帳を締めたら赤字だった」と気づくときです。 私自身も入社3年目のころ、ある工事の台帳を閉じたとき、予算より200万円も原価がオーバーしていた、という経験をしました。そのとき痛感したのは、「完工後に原価を集計する」のでは遅すぎる、ということです。 原価管理の目的は「完工後の集計」ではなく、「完工前の早期警告」にあります。この記事では、赤字工事を未然に防ぐための原価管理3ステップを、実務経験をもとに解説します。
おけい
おけい
なぜ完工してみたら赤字だったんだろう…毎回同じことが起きている気がする。
せきさんくん
せきさんくん
それ、原価管理の仕組みができていないサインだ!3ステップで整理していこう^^
今回の記事でわかること
  • 赤字工事が繰り返される3つの根本原因
  • 原価管理の基本3ステップ(実行予算→週次更新→振り返り)
  • 今日から使えるExcelでの管理方法
  • 原価管理を習慣化するためのコツ

🔍 先に結論

  • 原価管理の目的は完工後の集計ではなく完工前の早期警告
  • 赤字工事を防ぐ基本は3ステップ。Excelの原価管理シートですぐ始められる
  • つまずきやすい現場との情報連携の問題と、今日からできるアクションも解説

赤字工事はなぜ繰り返されるのか

赤字工事が繰り返される会社には、共通したパターンがあります。「今回は特別な事情があった」と思いがちですが、ほとんどの場合、原価管理の仕組み自体に問題があります。 次の3つの原因に心当たりがないか、確認してみてください。

原因①:見積段階での原価把握が甘い

「なんとなくこれくらいかかるだろう」という感覚で見積を作ると、実行予算との乖離が生まれます。特に見落としやすいのが、仮設費・運搬費・産廃処分費・工期延長時のリース延長費用です。 私が実際に経験したのは、ある内装工事で「処分費は小さいから込みでいいか」と見積に入れ忘れ、最終的に30万円超の処分費が発生した案件です。見積精度の低さが、赤字工事の最大の温床になります。

原因②:工事中の原価把握が月1回以下

月次の会計処理を待ってから原価を確認していると、気づいたときには修正が効かない状態になっています。 工事進捗50%の時点で原価消化が60%に達していれば、すでに赤字の兆候です。 しかし月次処理しかしていない会社では、この異常に気づくのが完工直前、あるいは完工後になってしまいます。

原因③:見積と実発注がリンクしていない

見積では「外注費100万円」と書いているのに、実際の下請け契約の内容を誰も確認していない——というケースは建設業の現場では珍しくありません。見積と発注が分断されていると、予算管理が機能しません。
せきさんくん
せきさんくん
この3つの原因、どれか1つでも当てはまったら要注意だ!仕組みから見直す必要があるよ^^

赤字工事を防ぐ原価管理の基本3ステップ

原価管理3ステップのフロー図

STEP 1:受注直後に「実行予算」を作る

受注したらすぐに、その工事専用の「実行予算」を作ります。実行予算とは、実際にかかるコストを費目別に積み上げたものです。 材料費・外注費・労務費・経費を細かく積み上げ、請負金額との差が「粗利予算」になります。 重要なのは、「受注直後」に作ることです。着工してから作ろうとしても、すでに動き始めているため正確な予算が立てられません。受注直後の実行予算が、原価管理の9割を決めます。 実行予算の主な費目:
  • 材料費(資材・消耗品)
  • 労務費(自社職人の人工賃)
  • 外注費(一人親方・下請け業者への支払い)
  • 経費(仮設費・リース・運搬費・産廃処分費)

STEP 2:週次または月次で実績を更新する

工事が進んだら、材料の納品・業者への支払い・職人の日報などから実績原価を集計します。 最も重要な指標は「予算に対して今何%消化しているか」と「工事進捗と原価消化のズレ」です。 例えば、工事進捗50%に対して原価消化60%なら要注意。工事進捗80%に対して原価消化95%なら赤字確定です。このズレをリアルタイムで把握することが、早期警告の役割を果たします。
せきさんくん
せきさんくん
進捗と原価消化のズレが警報器の役割を果たすんだ!毎週チェックする習慣をつけよう!

STEP 3:完工時に「振り返り」をして次に活かす

完工後、予算と実績の差を費目別に確認し「なぜズレたか」を一言メモで記録します。 「外注費が予算比120%になった理由:追加工事が発生したが変更契約を取っていなかった」 「材料費が予算比80%で収まった理由:発注ロットをまとめて単価交渉できた」 この振り返りの積み重ねが、次回以降の見積精度を向上させます。「過去の完工台帳」こそが会社の最高の見積データベースです。

Excelで今すぐ始められる原価管理シートの作り方

専用ソフトがなくても、Excelで原価管理シートは作れます。最低限必要な列は以下の通りです。
  • 工事番号・工事名・受注金額・粗利予算
  • 費目別予算(材料費・労務費・外注費・経費)
  • 費目別実績(月次更新)
  • 予算比消化率(%)・残予算
  • 工事進捗(%)・完工予定日
ポイントは「予算比消化率」の列に条件付き書式を設定すること。80%超で黄色、95%超で赤になるように設定しておくと、異常工事が一目でわかります。
せきさんくん
せきさんくん
条件付き書式の色分けは本当に効果的だよ!一覧表を開いたとき、赤い行があると誰でもすぐ気づけるからね^^

原価管理を妨げる「現場との情報連携」問題

原価管理の3ステップを理解しても、「実際には現場からの情報がうまく上がってこない」という壁にぶつかる会社は多いです。 私が経験した典型的なケースは、現場監督が職人さんへの日当や材料費の立替を月末まで報告しないケースです。月次締めのタイミングで一気に領収書が来るため、工事中のリアルタイム管理が機能しません。 原価管理は経理だけでできるものではありません。現場との情報連携が命綱です。 以下の3点を現場担当者と共有するだけで、情報の流れが大きく改善します。
  • 支払い・立替は週1回まとめて経理に報告する(専用フォームやLINEグループで)
  • 領収書・請求書には必ず工事番号を記入する
  • 追加工事が発生したらすぐに経理に連絡する(変更契約の前に原価確認するため)
せきさんくん
せきさんくん
現場と経理の情報連携が整うだけで、原価管理の精度が一気に上がるぞ!小さな仕組みの積み重ねが大きな差を生むんだ^^

よくある質問

Q:工事台帳と原価管理シートは別に作る必要がありますか?

A:基本的には同じシートで管理できます。工事台帳に「予算列」「実績列」「予算消化率列」を追加するだけで、原価管理シートとして機能します。最初は一つのシートにまとめて作るのがおすすめです。

Q:専用の原価管理ソフトは必要ですか?

A:工事数が少ない(年間30件以下程度)うちはExcelで十分対応できます。工事数が増えてきたら、建設業向けの会計・原価管理ソフトへの移行を検討するといいでしょう。

Q:社長や現場担当者が原価管理に協力してくれません。どうすればいいですか?

A:「赤字工事の完工後レポート」を1枚作って見せるのが最も効果的です。実際の数字で「この工事は予算より〇〇万円オーバーした」と示すことで、原価管理の必要性が伝わります。

今日からできる3つの具体アクション

  1. 直近3件の完工工事で予算と実績を比較してみる:差が出ている費目を確認するだけで、自社の課題が見えてきます。
  2. 次の受注工事から実行予算シートを作る:完璧でなくていい。まず作ることから始めましょう。
  3. 週1回、工事ごとの原価消化率を確認する時間を設ける:10分でもいい。習慣化することが最大の防止策です。

まとめ

「完工後に原価を集計する」から「工事中に原価をコントロールする」への意識転換が、赤字工事を減らすための第一歩です。 3ステップをおさらいします。
  • STEP 1:受注直後に実行予算を作る
  • STEP 2:週次または月次で実績を更新して進捗との乖離を監視する
  • STEP 3:完工時に振り返りを記録して次の見積に活かす
原価管理の効率化には、建設業に対応した会計ソフト・原価管理ツールの活用も有効です。 マネーフォワード クラウドを試してみる 以上、建設業7年目の経理担当でした!♪