― 建設業の社長が“税理士依存”から抜け出す最短ルート
はじめに|「数字を見ろ」は正しいが、現場では無理
多くの建設業の社長が言われます。
- 「社長は数字を見ないとダメ」
- 「月次決算をちゃんと確認しましょう」
しかし実際はこうです。
- 忙しくて時間がない
- 見ても何を判断すればいいか分からない
- 結局、税理士の説明待ちになる
結果として、
数字を見る=難しいことになってしまいます。
この記事では、
- 専門知識なし
- 月1回・30分
- 見る数字は最小限
という条件で、
社長が必ず見るべき数字だけをチェックリスト化します。
なぜ「月1回」で十分なのか
毎日数字を見る必要はありません。
建設業では、
- 現場は月単位で動く
- 請求・支払いも月締め
だからこそ、
月1回、必ず見ることが重要です。
逆に言うと、
- 月1回も見ていない
→ 経営判断は「感覚頼り」になります。
このチェックリストで得られる3つの効果
- 資金繰りの不安が減る
- 赤字現場に早く気づける
- 税理士との打ち合わせが短くなる
「分からないから任せる」から
「分かっているから確認する」状態に変わります。
【準備編】月1チェックはこの3点だけ用意
① 試算表(できれば月次)
- 完璧でなくてOK
- 速報値で十分
② 売上・請求一覧
- 今月請求した金額
- 未請求の工事
③ 現場別原価メモ(ざっくり)
- 材料
- 外注
- 労務
細かさは不要です。
社長が月1回やる数字チェックリスト【全10項目】
① 今月の売上はいくらか
まずはこれだけです。
- 今月の売上
- 先月との比較
▶ チェックポイント
- 極端に増減していないか
- 請求漏れがないか
「理由を言えるか」が重要です。
② 未請求の工事はないか
建設業で一番多いミスです。
- 工事は終わっている
- でも請求していない
▶ チェックポイント
- 完了工事一覧
- 検収待ち案件
未請求=存在しない売上
です。
③ 入金されていない売上はどれか
- 請求済
- でも入金なし
▶ チェックポイント
- 入金予定日
- 先方都合か自社都合か
資金繰り悪化の8割はここです。
④ 今月の原価はいくらか
利益を見る前に原価です。
- 材料費
- 外注費
▶ チェックポイント
- 先月より増えていないか
- 想定より高くないか
原因が分からない増加は危険信号です。
⑤ 現場別に赤字は出ていないか
すべてを見る必要はありません。
- 明らかに赤字
- 利益が薄すぎる
現場だけをチェックします。
▶ チェックポイント
- なぜ赤字か
- 次で同じことをしない対策はあるか
⑥ 粗利率は落ちていないか
建設業では粗利が命です。
- 全体粗利率
- 先月・前年差
▶ チェック目安
- 理由なく2〜3%下がる → 要注意
値引き・原価増が隠れています。
⑦ 固定費は想定内か
- 人件費
- 家賃
- リース
▶ チェックポイント
- 売上に対して重くなっていないか
固定費は「後から効いてくる毒」です。
⑧ 今月末の預金残高はいくらか
利益より先に見るべき数字です。
▶ チェックポイント
- 来月の支払いは足りるか
- 借入返済後はいくら残るか
黒字倒産はここを見ないと起きます。
⑨ 3か月後の資金は足りるか
細かい予測は不要です。
- 売上予定
- 大きな支払い
▶ チェックポイント
- 資金ショートの可能性は?
不安が出た時点で対策を打てます。
⑩ 今月の数字から「1つ決める」
最後に必ずこれをやります。
- 来月はこの現場を重点管理
- 値引き基準を見直す
- 原価の見積精度を上げる
数字→行動で終わらせます。
よくある失敗パターン
× 数字を眺めて終わる
→ 必ず「1アクション」決める
× 完璧な資料を求める
→ 7割でOK
× 税理士の説明待ち
→ 分からない部分だけ聞く
税理士との関係が変わる瞬間
このチェックを続けると、質問が変わります。
×「どうなってますか?」
○「この原価増、税務的に問題ありますか?」
税理士は、
丸投げ先 → 経営パートナーになります。
▶ 関連記事
「税理士に任せていい仕事・任せてはいけない仕事」
月1チェックを仕組みにするコツ
- 毎月◯日に固定
- 30分で終わらせる
- 同じフォーマットを使う
おすすめは、
事務担当と一緒に見ることです。
まとめ|社長の仕事は「完璧に見る」ではない
社長の役割は、
- 数字を作ること
- 細かく分析すること
ではありません。
異変に気づき、判断することです。
月1回、このチェックをするだけで、
- 税理士依存
- 感覚経営
から抜け出せます。

