建設業の経理・事務をしていると、
「入金があったけど、これは売上にしていい?」
「工事は終わっているのに、まだ入金されていない…」
と迷う場面は多いのではないでしょうか。
建設業は、
- 工期が長い
- 着手金・中間金がある
- 請求・入金のタイミングがズレやすい
という特徴があり、未収入金・前受金の処理を間違えやすい業種です。
この記事では、建設業の事務担当者目線で、
未収入金・前受金の違いと正しい仕訳を、実務例つきで分かりやすく解説します。
未収入金・前受金とは?【建設業向けに整理】
未収入金とは
売上はすでに発生しているが、まだ入金されていない金額です。
建設業で多い例
- 工事が完了している
- 請求済み、または請求予定
- 入金は翌月以降
👉 工事完了基準で「売上」を立てるのがポイントです。
前受金とは
売上になる前に、先に受け取ったお金です。
建設業で多い例
- 着手金
- 中間金
- 工事開始前の入金
👉 入金があっても、工事が終わるまでは売上にしません。
なぜ建設業は未収入金・前受金が発生しやすいのか
建設業では、次のような流れが一般的です。
- 工事契約
- 着手金を受領
- 工事途中で中間金
- 工事完了
- 請求・入金
この流れの中で、
「工事完了」「請求」「入金」のタイミングが一致しないため、
未収入金・前受金の管理が必須になります。
【実務例①】未収入金の仕訳(工事完了・未入金)
ケース
- 12月に工事完了
- 12月に請求
- 入金は翌1月
12月の仕訳(売上計上)
未収入金 1,000,000 / 売上高 1,000,000
👉 工事が完了しているため、12月の売上として処理します。
1月の仕訳(入金時)
普通預金 1,000,000 / 未収入金 1,000,000
【実務例②】請求書が未発行でも未収入金は必要?
ケース
- 工事は12月に完了
- 請求書は1月に発行予定
考え方
👉 請求書の有無は関係ありません。
工事が完了していれば、12月に売上を立てます。
12月の仕訳
未収入金 800,000 / 売上高 800,000
【実務例③】前受金の仕訳(着手金)
ケース
- 工事開始前に着手金300,000円を受領
- 工事完了は翌月以降
入金時の仕訳
普通預金 300,000 / 前受金 300,000
👉 この時点では売上にはなりません。
【実務例④】前受金を売上へ振替えるタイミング
工事完了時
前受金 300,000 / 売上高 300,000
👉 工事完了=売上計上が基本です。
【実務例⑤】着手金・中間金・残金がある場合
ケース
- 着手金:300,000円
- 中間金:400,000円
- 完了時残金:300,000円
着手金・中間金の入金時
普通預金 700,000 / 前受金 700,000
工事完了時の仕訳
前受金 700,000 / 売上高 700,000
未収入金 300,000 / 売上高 300,000
👉 前受+未収を組み合わせるのが建設業ではよくある処理です。
未収入金・前受金でよくあるミス
- 入金があったから売上にしてしまう
- 工事完了しているのに売上を立てない
- 前受金をそのまま放置する
これらは、
月次利益のズレ・決算修正の原因になります。
未払金・前払金との違い【セットで理解】
- 支払側
→ 未払金・前払金 - 売上側
→ 未収入金・前受金
👉 支払と売上は必ずセットで考えることが大切です。
詳しくは
「建設業の未払金・前払金の仕訳【実務例】」もあわせて確認してください。
会計ソフトを使うと管理が一気に楽になる
未収・前受が増えるほど、
Excelや手書き管理はミスが増えます。
- 弥生会計:仕訳が分かりやすく、建設業向きhttps://px.a8.net/svt/ejp?a8mat=4AV5OF+FWR0QA+35XE+644DT
- マネーフォワード:入金管理・消込が楽https://px.a8.net/svt/ejp?a8mat=4AV788+DRCO36+4JGQ+5ZEMP
👉 建設業の事務に合う会計ソフトを選ぶことが、
経理負担を減らす近道です。
まとめ|建設業は「入金=売上」ではない
- 未収入金:売上あり・入金まだ
- 前受金:入金あり・売上まだ
- 判断基準は「工事完了」
この考え方を押さえることで、
月次も決算もブレない経理が実現できます。


