はじめに|「現場に出ていないから書けない」は誤解
施工管理技士の二次試験(実地試験・経験記述)は、多くの受験者がつまずく最大の関門です。特に経理・総務・事務職の方からは、
- 現場に常駐していない
- 職人さんを直接指示していない
- 工事写真や黒板を書いていない
といった理由から、「自分には書ける経験がないのでは」と不安に感じる声をよく聞きます。
しかし結論から言うと、経理・総務の実務経験は、書き方次第で十分に評価されます。
このポイントを理解せずに、無理に現場監督風の文章を書こうとすると、評価が下がるケースも少なくありません。
この記事では、経理・総務という立場でも二次試験で評価される経験記述の考え方・構成・具体例を、施工管理技士試験の評価軸に沿って解説します。
二次試験(経験記述)の評価ポイントを正しく理解する
まず重要なのは、「何が評価されているのか」を正確に知ることです。
施工管理技士の経験記述では、文章の上手さや現場監督らしさよりも、次の点が重視されます。
- 工事概要が明確か
- 課題・問題点を把握しているか
- 施工管理の観点(品質・工程・安全・原価)で考えているか
- その課題に対して、具体的な対応をしているか
- 結果としてどのような効果があったか
つまり、「管理した内容」と「考え方」が伝われば評価対象になるということです。
経理・総務の経験はどこが評価されるのか
評価されやすい管理分野
経理・総務の実務は、次の管理分野と強く結びついています。
- 原価管理(材料費・外注費・労務費)
- 工程管理(支払・発注・工期調整)
- 契約・法規管理(請負契約・下請契約)
- 品質管理(書類・検査対応・是正)
これらはすべて、施工管理技士試験の評価軸と一致しています。
NGな考え方
- 「私は事務なので補助的な立場でした」
- 「指示を受けて処理していただけです」
こうした書き方は、管理に関与していない印象を与えてしまいます。
経験記述の基本構成(この型を崩さない)
経理・総務の方は、型通りに書くことが最も重要です。
基本構成(鉄板)
- 工事概要(工事名・工期・工事内容・立場)
- 課題・問題点
- 自身の立場で行った管理・対応
- 結果・効果
この順番を崩さず、感情や感想は入れません。
経理・総務でも使いやすいテーマ例
原価管理をテーマにした例
- 外注費が当初予算を超過する恐れがあった
- 材料発注が重なりキャッシュフローに影響が出た
- 実行予算と請求金額にズレが生じた
工程管理をテーマにした例
- 支払遅延が工期に影響する恐れがあった
- 材料納期の調整が必要だった
言語変換の具体例(重要)
× NG例: 「請求書のチェックを行った」
◯ OK例: 「外注業者から提出された請求内容を実行予算と照合し、数量・単価の差異を確認した」
このように、事務作業を施工管理用語に変換することが合否を分けます。
よくあるNGパターン
- 現場監督になりきった虚偽の記述
- 抽象的で具体性がない
- 自分の役割が見えない
試験官は現場を知っています。無理な設定は逆効果です。
一次試験知識をどう活かすか
一次試験で学んだ用語(出来高管理、実行予算、工程管理など)を、自然に織り込むことで評価が安定します。
まとめ|経理・総務の経験は十分「管理経験」になる
施工管理技士の二次試験は、「現場経験の有無」を見る試験ではありません。
管理の視点で考え、行動した経験があるかを問われています。
経理・総務の業務は、まさに管理そのものです。
正しい構成と表現に落とし込めば、十分に合格レベルの経験記述が書けます。
まずは自分の業務を、施工管理の言葉に置き換えるところから始めてください。

