はじめに|「数字は苦手」でも経営はできる
建設業の社長からよく聞く言葉があります。
- 数字を見る時間がない
- 経理は事務に任せている
- 決算のときだけ確認している
しかし、
数字を見ない経営ほどリスクが高い経営はありません。
とはいえ、
毎日帳簿を見る必要はありません。
社長がやるべきなのは、月1回の数字チェックだけです。
この記事では、
忙しい社長でも**15分で確認できる「数字チェックリスト」**を
建設業に特化してまとめます。
1. なぜ「月1回」の数字確認が必要なのか
決算だけ見ている会社の共通点
- 原価超過に気づくのが遅い
- 資金繰りが急に苦しくなる
- 利益が出ている理由が分からない
これらはすべて、
途中経過を見ていないことが原因です。
建設業は
・工期が長い
・入金が遅い
・原価変動が大きい
だからこそ、
月次での数字確認が必須です。
2. 社長のための月1回・数字チェック全体像
まず全体像です。
月1回、以下の5項目だけを確認します。
- 売上の確認
- 原価の確認
- 粗利(売上総利益)の確認
- 資金(お金)の確認
- 異変・違和感の確認
細かい仕訳や科目は不要です。
3.【チェック①】売上は「増えたか・減ったか」
見る数字
- 今月の売上高
- 前月・前年同月との比較
確認ポイント
- 思っていた売上とズレていないか
- 大きな増減の理由を説明できるか
重要なのは、
金額よりも「変化」です。
売上が急に増えている場合
→ 無理な受注をしていないか
売上が落ちている場合
→ 受注ペースが落ちていないか
売上は、
会社の「体温計」です。
4.【チェック②】原価は想定どおりか
見る数字
- 工事原価合計
- 外注費・材料費の増減
確認ポイント
- 売上に対して原価が増えすぎていないか
- 特定の工事で原価が膨らんでいないか
建設業で一番怖いのは、
売上が増えているのに利益が出ていない状態です。
原価は
「現場が頑張っているか」ではなく
**「数字として結果が出ているか」**で判断します。
5.【チェック③】粗利(売上総利益)は残っているか
見る数字
- 売上総利益
- 粗利率(%)
目安
- 内装工事:20〜30%前後
- 業態・規模によって基準を決める
粗利は
会社が自由に使えるお金の源泉です。
ここが薄いと、
- 給与が上げられない
- 設備投資ができない
- 社長の報酬が残らない
粗利率が下がっている場合は、
「安く取りすぎていないか」を必ず確認します。
6.【チェック④】お金は足りているか(資金チェック)
見る数字
- 現預金残高
- 前月からの増減
確認ポイント
- 3か月先まで支払いは回るか
- 大きな支払い予定はないか
利益が出ていても、
お金がなければ会社は回りません。
特に建設業は
未収入金・前受金が多く、
帳簿上の利益と現金がズレやすい業種です。
7.【チェック⑤】未収入金・前受金に異常はないか
未収入金
- 請求済・未回収の金額
前受金
- 先にもらっているお金
確認ポイントはシンプルです。
- 未収入金が増え続けていないか
- 回収が遅れている取引先はないか
お金は「入ってきて初めて売上」
という意識が重要です。
8.【チェック⑥】固定費は膨らんでいないか
見る項目
- 人件費
- 事務所家賃
- リース料・通信費
固定費は
一度増えると下げにくい支出です。
売上が増えていないのに
固定費だけが増えている場合、
利益は確実に圧迫されます。
9.【チェック⑦】数字の「違和感」を放置しない
最後に一番大切なポイントです。
- なんとなくおかしい
- 思っていた数字と違う
- 説明されても腑に落ちない
この「違和感」を
そのままにしないこと。
社長が
「これ、どういうこと?」
と聞くだけで、会社は引き締まります。
10. 社長の数字チェックを支える事務の役割
事務の役割は
数字を「作る」ことではなく、
判断しやすい形で「見せる」ことです。
- 月次試算表を早く出す
- 工事別に数字を整理する
- 異常値を事前に共有する
社長と事務が
同じ数字を見て話せる会社は強くなります。
まとめ|月1回の数字確認が会社を守る
社長がやるべきことは、
経理を完璧に理解することではありません。
- 月1回
- 決まった項目を
- 決まった順番で見る
これだけで、
経営の精度は大きく変わります。
数字は、
社長の味方です。

